MIND GAME(1998)

劇場公開日:

解説

多重人格者の青年に翻弄される、ふたりの若き精神科医の心の葛藤を描いたサイコ・ミステリー。監督は、「Shall we ダンス?」などでお馴染みの俳優・田口浩正で、これが監督デビュー作。脚本は大久保智康と田口の共同。撮影を北信康が担当している。主演は「四月物語」の田辺誠一と「Birthday PRESENT」の柏原崇、「Lie lie Lie」の鈴木保奈美。第10回東京国際映画祭ヤングシネマ・コンペティション正式出品作品。

1998年製作/108分/日本
配給:松竹
劇場公開日:1998年4月4日

ストーリー

大学病院の精神科医・片山は、ある日、大学の心理学部の研究員で彼の恋人でもある三鈴かおりが開く箱庭療法のサークルに招かれる。そこで、田所という奇妙な青年に興味を持った彼は、自閉症気味で気弱な田所の裏側に、多重人格の症状を見抜きカウンセリングを申し出るが、果たして田所は片山の思った通り重度の多重人格者であった。ところが、片山が催眠療法で呼び出した田所の一人格・田山は、凶暴な性格の上、鋭い洞察力を持っており、彼によって自らの心に封印した筈の傷を見抜かれた片山は、逆に翻弄されてしまう。片山の心の傷、それは幼い時に母親がトラックに轢かれるのを目の当たりにしたことだった。カウンセリングをするつもりが、逆に心をかき乱されたことで、セラピストとしての自信をなくす片山。そんな時、かおりが田所のカウンセリングに乗り出した。しかし、まだ経験の浅いかおりにとって、田山は危険過ぎた。果たして、田山によって催眠をかけられ、かおりは人格を破壊されてしまう。かおりと田所、そして自らを救う為、片山は田山の人格を消し去ることを決心する。そこで、田所の生家を訪ねた片山は、彼の不幸な生い立ちを知る。田所は、生まれてすぐに母親を亡くしていたが、そのことを実父になじられ、心に傷を負っていたのだ。しかも、父親は幼い彼の目の前で命を落としていた。田所が多重人格になった原因を突き止めた片山は、自分の心の傷を克服すると、田山と対峙。見事、田山の人格を消し去り、田所を助けてやることに成功する。こうして田所の病気は治り、かおりも人格を取り戻し、全ては解決したかのように見えたが、ひとりで箱庭を作るかおりの目だけはどこか虚ろだった…。

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