劇場公開日 2000年4月29日

「いい映画にいい脚本あり」アメリカン・ビューティー keitaさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5いい映画にいい脚本あり

2012年4月6日
フィーチャーフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

悲しい

脚本が素晴らしく良い。

多くの映画で台詞は、映像を引き立てるため、物語を前に進めるための脇役でしかない。
しかし、「アメリカン・ビューティー」は違った。
その台詞ひとつひとつがまるで主役のように振る舞う。
無駄が無く、洗礼され、情感に溢れている。

マンネリ化した核家族…、妻と夫はすれ違う、親と子はすれ違う。
そんな家庭が隣人同士となればこれはもはや偶然ではなく、現代アメリカの中流家庭の"現実"である。
ありふれた人生に飽き飽きし自由を望む中年男、理想の家庭という外観や見栄にこだわる女、自分に関心をもってほしい典型的なティーン、"自分"を持っている青年、家族を支配したがる父親、夫の支配によって脱け殻のようになった妻。 多くの生き方、価値観の交錯によって現代アメリカの暗部が浮き彫りにされる。
その映し出し方は"えぐりだされる"と言うほうが適切なほど生々しく、巧みである。
また、そのアメリカ中流家庭の縮図に生きる誰もが不満を持ち、今を変えたがっている。
しかし、勇気を持って一歩を踏み出しても、全て上手くは行かないと作品は語る。

そして、彼らがいつも白い目で見てきたゲイのカップルたちこそが一番"自分"を解放して自由に生きる人々であり、幸せに生きる人々であるとも語る。
皮肉にもそれが"アメリカ"だ。

keita
H1DE!さんのコメント
2019年4月18日

ラスト何故ずぶ濡れの姿で隣のご主人にキスしたのでしょうかね?
ゲイを異常に嫌う人ほどゲイの素質があり、その反動で暴言や暴力がでる。
最後は勘違いからの図星で、引金を?と読みましたが(^_^;)

H1DE!