二代目はクリスチャン

劇場公開日:

解説

教会に仕える清純なシスターが、ひょんなことからヤクザの二代目を襲名、抗争事件にまきこまれる姿を描く。原作・脚本は「蒲田行進曲」のつかこうへい、監督は「(金)(ビ)の金魂巻」の井筒和幸、撮影は「コータローまかりとおる!」の北坂清がそれぞれ担当。

1985年製作/101分/日本
配給:東宝=角川春樹事務所
劇場公開日:1985年9月14日

ストーリー

神戸は六甲山の中腹にある聖サフラン教会では、天竜組組長・故天竜源一郎の告別式が行なわれていた。オルガンで讃美歌の伴奏をしているのはシスター今日子。その瞳は神のみを見つめ、端正な横顔はこの世のものとは思えないほど美しく、やさしい。この今日子に惚れているのが、天竜晴彦。本来ならば天竜組の二代目を継ぐべきところなのだが、恋は盲目、晴彦にとっては天竜組の代紋より今日子の存在の方が大きいのだ。彼女の気をひくために、毎日、教会のブタ小屋の掃除に余念がない。それどころか、子分の意見を無視して、全員、洗礼を受けさせてしまった。腹巻きの中にはドス、首には十字架というナサケない姿で、ヤクザ仲間からはバカにされる始末。一方、今日子に想いを寄せている男がもう一人。晴彦の幼馴染みで、神戸署の刑事・神代だが、神代の実家が天台宗の寺だけに、二人の間には宗教の厚い壁が立ちはだかっている。しかし、肝心の今日子は、数年前、ある嵐の夜に宿命的な出会いをした英二という男に、秘かな恋心を抱き続けていたのだ。天竜会と対立する黒岩会会長の黒岩は、自分の情婦・百合をつかって晴彦を罠にかけようとしていた。そして二人が抱き合っている現場をおさえた黒岩は、晴彦を袋叩きにしてしまう。晴彦を救出に行った今日子は、黒岩のところに身を寄せている英二と再会。だが、英二に寄りそう女の姿を見て、その場に立ちつくすのだった。今日子は、ついに晴彦と結婚することにした。式の後で晴彦の二代目襲名披露も行なわれることになった。結婚式当日、今では晴彦に想いを寄せるようになっていた百合が、嫉妬に狂ってナイフで今日子に襲いかかり、彼女をかばった晴彦が刺され死んだ。今日子は、涙の渇く間もなく、神代に連れられて二代目襲名披露会場へ。居並ぶ親分衆の前で亡き晴彦に替って二代目を襲名するのだった。一方、黒岩会は一気に天竜組を潰すべく無差別攻撃に出た。次々と倒れていく子分たち。しかも今日子が世話する子供たちまでも標的にされた。爆破され破壊された教会で呆然と立ちつくす今日子。その時、崩れ落ちたキリスト像の後ろから、油紙で包まれた今日子の亡き父、“狂犬病鬼頭”と呼ばれた父の長ドスが現われた。そのドスを手に、黒岩会に殴り込みに行く今日子。途中、あの英二が行く手をさえぎった。だが英二は、今日子に人の斬り方を教えると、自分から彼女の手にかかって死んだ。神代と子分の次郎を従えた今日子は、黒岩会の事務所へ殴り込み、凄絶な死闘の末に、黒岩をはじめ、子分たちを倒すのだった。

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スタッフ・キャスト

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映画レビュー

2.5二匹目のドジョウ

2022年8月16日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

セーラー服の次はシスターで、なんてことはないと思うが、志穂美悦子の魅力が発揮されていない。
徹底的にコメディに振り切れば、もっと面白かったかも。

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いやよセブン

3.5十字切らずに仁義切らせていただきます!

2022年6月22日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

笑える

興奮

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しゅうへい

4.0わたし、頭きました

2021年12月1日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

久しぶりに観たけどTHE80年代

当時メインの「早春物語」の併映作だからゆるいゆるい(かなり好き勝手に作っている)

午後ローで鼻くそほじりながら観るのがGOOD!!

結婚前の志穂美悦子を堪能できるし、かたせ梨乃のおぱ〜いもあるよ(別に脱がなくても…)

北大路欣也はともかく山村聡まで何故か出ているのも楽しいし、高杢仕様の柄本明がとことん笑わせる

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うんこたれぞう

3.0志穂美さんの魅力がほとばしる… はずだったんだけど、なんか、惜しい。

2021年9月27日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD、映画館

笑える

単純

萌える

演劇界で飛ぶ鳥落とす勢いだったつかさんの脚本…。
何がしたかったんだ。
 奇抜な設定と、それを無理やりにでも納得させられてしまいそうな、マシンガンのように次から次に畳みかけるセリフ、大仰な、劇場らしい振りとセリフ回しと立ち回りが持ち味だったと認識していた。
 『蒲田行進曲』の映画化では、そのつかさんの舞台の常連の風間さん、平田さんを中心に据え、銀幕の女優・松坂さんを添えることで、舞台の雰囲気を持ち込みつつ、見事なバランスをとっていた。

だから、「クリスチャンのシスターが、やくざに」という、一見、突飛な設定も、つかさんならと期待を膨らませる要素なのに。
 でも、順番が悪かったよ。
 志穂美さんのファンだから、無茶苦茶身びいきしたとしても、『セーラー服と機関銃』の、柳の下のドジョウを狙ったように見えてしまう。
 かつ、往年の仁侠映画の焼き直し。

 志穂美さんを巡る恋のドタバタ。アクション女優として際立っていらしたから、あんな演技を見られるのも楽しい。岩城さんとのからみは当然として、柄本さんとのからみ・間の微妙な合い方が新鮮。
 けれど、後半、殴り込みにいくまでのプロセスが…。
 シリアスの混ぜ方が…。
 役者さんの演技で見せてくれるが、もう少し何とかならなかったのか。それでも整合性があればいいのだけれども、不発。
 シスターだから、震えながら暴れるというのは理屈が通っているんだけれども、それにしちゃ殺陣が決まりすぎる。
 殺陣が決まる唯一無二のアクション女優・志穂美さんを見せたいのなら、もう少し設定替えてほしかった。それこそ、よくある話だが、昔悪だったけれど、改心していたのが、たまりにたまって…とか。せめて、アクションにコメディを取り入れられる、ジャッキー・チェン氏が行うようなアクション演出できる人がいれば、つかさんの設定を、志穂美さんで活かせたのだろうが、不発。

 映画の脚本として制作されたものは舞台の脚本。しょうがなく、監督たちが手を入れたけれど、それに対してつかさんは怒ったとか(Wikiより)。
 だったら、初めから”映画”の脚本を作ればいいのに。無責任。
 つかさんの良さを全く理解しないで、任侠物っぽくすれば、そこにギャグを入れればとインスタント的な発想なのだろうな。(笑)をとるって、泣かすより難しいって聞いたことがあるけれど、(笑)を簡単に考えていたんだろうな。

志穂美さんのいろいろな表情・演技・アクションを見られる盛りだくさんな映画。でも、詰め込みすぎて、活かす演出でもなくて、残念な映画になってしまっている。

それでも、志穂美さんはじめ、蟹江氏・北大路氏だけでなく、すべての役者さんが、きっちり”らしさ”を決めてくださる。

むしゃくしゃしていて、スカッとしたいとき、ツッコミ入れながら肩の力も抜けてカタルシスを得るというのが正しい鑑賞法だと思っています。

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とみいじょん
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