飛ぶ夢をしばらく見ない

劇場公開日:

解説

人生に疲弊した中年男と肉体が若返っていく不思議な女との官能の日々を描く。山田太一原作の同名小説の映画化で、脚本・監督は「螢川」の須川栄三。撮影は「花の降る午後」の姫田真左久がそれぞれ担当。

1990年製作/104分/日本
配給:松竹
劇場公開日:1990年11月17日

ストーリー

雪の北陸線で列車事故が起った。入院中の田浦修司は、収容しきれない負傷者をさばくため、一夜だけ他の患者との同室を頼まれる。それは骨折した女だった。真ん中につい立てを挟み、お互い顔が見えない二人は、ふとしたことから言葉だけのセックスをしてしまうが、翌朝、看護婦がつい立てを払うと女はなんと白髪の老女だった。退院後、田浦のもとに女から電話が入り、それを拒否する田浦だったが、女は彼を待ち伏せていた。だが女は老婆ではなく、四十ぐらいの中年の色気をたたえた魅力的な女だった。その女睦子と田浦はホテルで一夜を過ごすが、翌朝彼女の姿はベッドになかった。三ヶ月後、突然睦子から連絡が入り、再会する田浦だったが、睦子は至に若返っていた。どう見ても二十代の女盛りで、恥らいながら生理が復活した告白する。そしてさらに激しく愛し合う二人。しかし睦子は再び田浦の前から姿を消すのだった。田浦は狂ったように睦子を追い求め、やっとの思いで彼女を捜し得た時、睦子は田浦に自分の変身の秘密を告白する。そしてどんどん若返っていく睦子に、田浦は家庭も会社も捨てて少女となった睦子と同棲をはじめる。しかし、その蜜月もある男の警察への密告で崩壊していくのだった。逮捕された田浦は、妻にも法廷にも今迄のことを釈明することができずそれによって全てを失ってしまう。そんな彼の前に今度は五歳くらいの幼女が現われる。田浦には彼女が睦子であることがすぐにわかった。しかし睦子にはもはや一刻の時間も残されていなかった。やがて田浦に「どうか静かに別れて」と懇願する睦子は「たのしかった。とてもいい日々だった」と感謝の言葉を残し、退け時の人波の中に消えてゆくのだった。

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