トカレフ(1994)

劇場公開日:

解説

誘拐犯に息子の命を奪われ、妻にも去られてしまった男の復讐を描く緊迫感あふれるアクション。「王手」以来2年ぶり、4本目の映画となる阪本順治監督・脚本作品で、「鉄拳」に続いて大和武士が主演する。撮影は石井勲が担当。94年度キネマ旬報読者選出日本映画ベストテン第6位。

1994年製作/103分/日本
配給:ヘラルド・エース=日本ヘラルド映画(提供 アルゴ・ピクチャーズ)
劇場公開日:1994年3月5日

ストーリー

幼稚園バスの運転手・西海道夫は妻あや子、息子タカシと平和な生活を営んでいた。ある日、バス運転中に信号待ちをしているところへ、突然バイクに乗った覆面の男が窓の外から拳銃トカレフをタカシに向け、あっという間に連れ去ってしまった。呆然と見送る道夫。傍には覆面男にバイクを盗まれた、道夫たちと同じマンションに住む新聞社の印刷局員・松村の姿があった。犯人は警察の見張るなか身代金をまんまと手にし、数日後、タカシは遺体となって発見された。事件をきっかけに道夫とあや子の夫婦の距離は確実に離れていく。仕事もやめ、自分を責める日々を送っていた道夫は、ぼんやりとありし日のタカシの運動会のビデオを見ていた時、画面に松村の姿が写っていることに気づき、彼を疑う。高橋刑事に再捜査を依頼するが捜査は一向に進展しない。苛立った道夫は単身松村を追及しようとするが、それを待ち構えていたかのように松村は豹変し、トカレフの銃口を道夫に向け、引き金を引いた。道夫は奇跡的に一命を取り留めるが、警察にはわざと松村のことは語らなかった。1年後、喉元に大きな傷痕を残しながら道夫は回復する。手には偶然手に入れていたトカレフがあった。あや子は彼の元を去っていた。深く静かに復讐へ動き出した道夫は、覆面の男を探し出し、彼の口から松村の居場所を聞き出す。何と彼はあや子と一緒になり、子供までもうけていた。抑え切れない怒りを秘めて、道夫は松村を追う。それに気づいた松村は放火をしかけわざと警察に捕まろうとするが、警察におかまいなく道夫のトカレフは火を吹いた。松村も警官の銃を奪って応戦する。そして遂に道夫は息絶えながらも、復讐を遂げる。

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映画レビュー

2.5黒いゴミ袋

2022年4月2日
iPhoneアプリから投稿

最近見なくなったが、持ち上げた時の重量感が不穏。スクランブルで子供を肩車しながら身代金を受け取るといったいった誘拐事件の段階での描き方は切れ味がよい。
中盤以降、ストーリーの省略が目立ち、ついていくのにひと苦労。女心を映すような画はあるが、行動には理解が及ばない。終盤は2人の決闘に集中していて、警察の無能ぶりがノイズになる。
國村隼が若い。

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Kj

4.0やっと観れた

2022年2月5日
Androidアプリから投稿

国立映画アーカイブで鑑賞。阪本順治は時々不思議な映画を撮るけれど、これもそれに分類したい一本。不思議な映画と書くと前衛タイプと思ってしまうだろうが、前衛ともまた違う不思議な味わい。銀落としや、得意のスローモーション。カメラで物語る面白さはある。赤信号だけで、これだけハラハラさせられるのはやはりすごい。キャイ~ンの漫才が面白かった。

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タカシ

5.0傑作。

2021年2月8日
iPhoneアプリから投稿

独特な銀残し現像による不穏でいて優しい色合い。
省略過多気味で物語をグイグイ引っ張り、客の半歩先を行く構成自体のハードボイルド加減が好きだ。
容赦の無いこんな話しは今も撮れるのか?
傑作と言って良かろう。

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きねまっきい
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