制覇(1982)

劇場公開日:

解説

日本最大の暴力団の組長の病死で起こった実力者の後継者争いと、跡を継ぐことになった未亡人の姿を描く。脚本は「アゲインスト むかい風」の中島貞夫と西沢裕子の共同執筆、監督も中島貞夫、撮影は鈴木達夫がそれぞれ担当。

1982年製作/140分/日本
配給:東映
劇場公開日:1982年10月30日

ストーリー

日本最大のヤクザ組織谷口組の三代目、田所正雄が狙撃された。田所の家族と谷口組の受けたショックは大きく、ボディガードの処分をめぐって、若頭の河上剛二と若頭補佐の権野強志の間に食い違いが生まれる。田所はかかりつけの医師、大友の手術で一命を取りとめ、最悪の事態を考えていた妻、ひろ子、長男、孝とその妻、冬子、長女、悠子、次男、範夫らの家族は一安心。そんな折、悠子の恋人で東日タイムスの記者、山田が社会部に転属になり、この事件の取材で二人の間に暗い影が漂い始める。大阪府警は田所狙撃犯を酒田組下部組織、浪華殉国団の近江と公表する。谷口組の報復が開始され、酒田系の事務所が襲撃され、組員も射殺される。その頃、田所は病院から退院、久しぶりの一家だんらんを迎えた。しかしその夜、冬子が孝の友人を信じて不注意に契約書に判を押したのがもとで孝は私文書偽造で逮捕される。その頃、近江の死体が六甲の谷底から発見される。犯人は意外にも酒田組系の者で、近江を隠しきれなくなっての犯行だ。時同じくして、冬子が例の事件を苦に自殺してしまう。谷口組という名前に冬子は押し潰されてしまったのだ。これを機に、田所は後継者を考え始める。そして、河上と権野の争いが表面化し、権野は先走った行動から破門されてしまう。田所家にも荒波が押し寄せていた。孝の会社が脱税容疑で捜査を受け、また、ボランティア活動をしていた悠子は、難民救済事業に従事すべくタイに向う決意をする。谷口組解体キャンペーンのペンを取っていた山田も彼女に追っていくことを決心、退職届を出すと、田所に悠子との結婚の許可を求めた。悠子を幸せにするという山田の決意に、田所は二人の結婚を許し、さらに、落語家になりたいという次男、範夫の希望もあっさりと許した。河上に二年六ヵ月の実刑判決がおり、権野は引退する。突然、田所が持病の心臓病で他界してしまった。谷口組組葬の日、全国から参集した黒背広姿の男の中に、たった一人の女性、ひろ子がいた。マスコミの関心は誰が四代目を継ぐかだった。そして、ひろ子が河上の四代目を発表するが、その河上も獄中で腎炎がもとで死んでしまった。「今、私がしっかりしなくては」と遺体を引き取りに行ったひろ子の顔には今までにない威厳が浮かんでいた。

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スタッフ・キャスト

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受賞歴

第6回 日本アカデミー賞(1983年)

ノミネート

助演女優賞 秋吉久美子
助演女優賞 中井貴惠
音楽賞 山本直純
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