砂の上のロビンソン

劇場公開日:

解説

ある不動産会社の企画によって、時価数億円の土地付モデルハウスにタダで住むことになった家族の崩壊と絆を描く。上野瞭の同名小説の映画化で、脚本・監督は「マリリンに逢いたい」のすずきじゅんいち、撮影は「せんせい(1989)」の鈴木耕一がそれぞれ担当。

1989年製作/105分/日本
配給:ATG
劇場公開日:1989年9月15日

ストーリー

木戸周平は、親子5人で団地に住む平凡なサラリーマン。一生、マイホームを手に入れることなど夢にも思えないそんな木戸家にとって、思わぬチャンスが飛び込んできた。ある不動産会社の企画で、一年間、理想的家族としてモデルハウスに住むと、その家と土地をプレゼントしてくれるのだ。そして、その選考の日、妻・涼子の必死のアピールが成功し、木戸家は見事に幸運を射止めた。しかし、モデルハウスである以上、毎日のように見学者が訪れてくる。中には、ひやかし半分の若いアベック。暇つぶしのようにやってくる老人カップル等、不躾な見学者も数多い。さらに、そんな木戸家の幸運を嫉んだいやがらせ電話まで連日かかってくる始末だ。その応待に追われる涼子。周平は会社で周りの嫉妬と羨望を浴び、子供たちもいじめの対象となり、さまざまな被害を受け始めていた。しかし、そんな生活ではあっても、不動産会社のお目付役・津田早苗の管理の中、一年間“理想的家族”を人前で演じていかなければならないのだ。そして、遂に崩壊の日が来た。周平が突然会社を辞め、家を出ていってしまったのだ。残された涼子たちは、それでも今の生活を続けようとするが、やはり限界に達してしまい、夢のマイホームを手放してしまうのだった。それから、月日が過ぎ、非行グループに加わっていた次男・草太が公園の浮浪者を襲ったとき、その中に周平がいた。そして、草太はそんな周平を家に連れて帰るのだった。

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