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劇場公開日:

解説

二人の仲の良い女子高校生が旅行に出かけるが、一人が事故死してしまう。その死因を確かめようと友人が彼女たちが撮影した8ミリを映写する。そして、その写し出された映像には、彼女たちの心理状態のプロセスが赤裸々に投影されていた。脚本は中尾寛治、浜田豊、荒木一郎の共同執筆、監督は脚本も執筆している「妖精の詩」(仏)の羽仁進、撮影は佐藤敏彦がそれぞれ担当。

1972年製作/101分/日本
劇場公開日:1972年10月14日

ストーリー

地方駅のホーム。高校生の玲子が二人分の荷物を持って放心したように歩いていた。東京に戻った玲子は同級生の下村に連絡をとった。そして下村に玲子は草子が死んだことを告げた。あんなに親しかった二人の間に何が起ったのか、そして草子の死因は……。下村と玲子は現像した8ミリフィルムを映写することにした。夏休み、玲子と草子は目的のない旅に出た。8ミリは二人の少女の東京駅の出発から始まった。見送る下村の顔、走る列車、流れる景色、みどりの林、ボートで遊ぶ二人、そして浜辺で裸で泳ぐ二人の姿。玲子を好きな下村にはそのカットは少々ショックだった。旅が続く。海岸近くの丘で奇妙な風船をあげようとしている青年と知り合い、風船をあげるのを手伝う。自衛隊に失望し、隊から風船の機械を持ち出して、そのまま逃げているという、沖と名乗った青年は自分のかくれ家である船に二人を案内した。“いつまでも空の上にいたい、汚れた地上は大嫌いだ”と語る沖。その沖に玲子と草子はいつしか惹かれていった。やがて、草子は、はっきりと玲子を邪魔し始めた。沖も草子の魅力にとらえられ二人は一夜を過ごした。だが翌朝、草子は不気嫌だった。夢と想われた沖に失望してしまったのだ。激しく夢を求め変身を望む、彼女の性質が自分自身を悲しませているのだった。突然、草子は変装ごっこを始めた。その、おかしく、寂しい変身。突如草子は、変装したまま崖へ走り出した。その草子を追いかける玲子の8ミリが烈しく乱れ、地面に激突していた……。夏休みが終った。ある日、学校近くの喫茶店で、刑事に沖と間違えられた下村は、沖のことを玲子に追求し始めた。玲子もまた、あのとき、草子と自分の魂を狂わせたものは何であるかを探し求めていた。二人の努力は死んだ草子のフィルムを完成させることにつながるかもしれない。

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映画レビュー

2.0実験映画

2020年2月14日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

 羽仁進作品はていうのは独特の実験映画が多い。それが評価されるモノもあるが、この作品はほとんどアフレコの台詞回しが下手くそすぎるせいもあって、見事にはずしてしまってる感がある。若者の感覚や世相の表現なんてのは上手く撮れているけど、死因を探るという主軸の筋にのめり込めないままだ・・・ちなみに映像はモノクロメインで、8ミリ映写のほうがカラー撮影となっている。

 骨折したためなのか、下村だけが旅行に参加できなかったようだ。そのため、8ミリに登場したり撮影したりする男・沖(沖至)の存在が気になり、好きな玲子がヌードになったりすることにショックを受ける。草子の死因や精神状態を探るというテーマもやがて単なる恋愛劇の様相へと変化していくところが弱いところ。

 結末もあやふやであり、沖と恋愛感情を抱いた草子が原因もわからず水死体として発見されたと想像できるが、草子のフィルムを芸術的に完成させようとする物語だったのか・・・不完全燃焼のまま。

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kossy
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