ゴジラ(1954)のレビュー・感想・評価
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ディザスター・パニックだ!
60周年記念デジタルリマスター版を劇場観賞。
ゴジラは、人間が巻き起こした自然災害だ。映画は純粋なパニック映画の体裁で、反水爆実験平和主義をうったえる。
ストップモーションアニメと着ぐるみの会わせ技が素晴らしい。
着ぐるみの特撮を開発した東宝・円谷英二は表彰ものだと思う。
ハリーハウゼンしか知らない欧米人は、着ぐるみによるリアルな動きに驚いたことだろう。
ミニチュア建造物が精巧で、作り手のロマンを感じる。
最終兵器を開発してしまった芹沢博士は、自らの発明に恐怖し、人類救済と恐怖の発明隠蔽の二つの正義の狭間で苦しむ。
一方、古生物学者の山根博士は、ゴジラを貴重な研究対象として抹殺に反対する。
この二人の博士、風貌に反して山根の方がマッド サイエンティストだといえる。
初めて現地調査に入った場面で、放射線学者が止めるのも聞かず、素手で汚染物を触りまくるあたり、物静かで冷静そうに見えて常軌を逸している。
ラスト、水爆実験への警鐘のセリフを吐いて、良いところを持っていく山根だが、芹沢の命を睹した平和へのうったえに対して、何も貢献していないのだ。
因みに、このセリフが続編を想定したものとは、今とは時代が違うので思わないが、結果として長大なシリーズ化を許すこととなる。
それにしても、若き宝田明がどことなく松田翔太に似てると感じたのは私だけ?
今みても…。
今みても、色あせない。
これが60年前ならなおさらですね。
CG全盛の時代に、手作り感満載します。
話がどうのだの、模型が…、なと関係なし。
映画屋と言われた時代が懐かしく感じる。
同じ年に作られた作品として、黒澤明監督の七人の侍や二十四の瞳が有るが、時代を映し出した作品としては、一番。
また今も通じる話としても、素晴らしい。最後の山根教授の言葉は、60年前だけでなく、今も全世界に通じる言葉。重いですね。
最期にやっぱりこの作品のゴジラの顔は、それ以降の作品の顔より、憎たらしい顔をしている。そこが魅力。
7月末のハリウッド版を見る予定の人はぜひチェックして欲しい。それはDVD見るのではなく、劇場の大きなスクリーンでチェックして欲しい。
原点にして頂点
「怪獣王」ゴジラの記念すべき第一作。
ゴジラは単に怪獣という位置づけにとどまらず、戦争や原水爆のメタファーとして本作では存在している。
それゆえにゴジラに対峙する人間たちは、それぞれの信念や良心と必然的に向き合わなければいけなくなる。
それ故に、偶然から超兵器としての応用も可能な薬品・オキシジェンデストロイヤーを開発してしまった科学者・芹沢の決断は、見るものに強い感銘を与える。
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