大奥絵巻

劇場公開日:

解説

「黒蜥蜴(1968)」の成澤昌茂がシナリオを執筆し、「帰って来た極道」の山下耕作が監督した時代風俗もの。撮影は「兵隊極道」の鈴木重平。

1968年製作/96分/日本
原題:The Vanity of the Shogun's Mistresses
配給:東映
劇場公開日:1968年11月16日

ストーリー

寛政二年の春。十一代将軍家斉は、三十歳を迎えてお褥辞退をした、御台所萩乃の方の代りに、若年寄浅岡の部屋子お阿紀を望んだ。お阿紀は浅岡の義理の妹で、浅岡はこの幸運に野心を大きくふくらませた。一方、町家育ちのお阿紀に家斉は優しかった。彼女に野の花のようないじらしさを感じたのである。それからというもの、将軍はほかの愛妾を一切遠ざけてしまった。この前例のない出来事に、御台所はもとより、大奥一の権力者大年寄松島、若年寄藤尾は、激しく憤った。浅岡と松島の確執は、いちだんと激しいものとなった。松島が浅岡とお阿紀を呼び、嫉妬のあまり松島が浅岡の顔を扇子で打った。これを見た家斉は即座に松島を免職、浅岡に大年寄の職を与えたのである。その年の江戸祭りの夜、家斉とお阿紀は忍び姿で城を抜け出し、祭の夜を楽しんだ。お阿紀はそんな将軍の身分を越えた愛を受けて、しみじみと自分の幸せをかみしめるのだった。しかし、このお忍び行が露見すれば浅岡は大奥追放、お阿紀は謹慎という沙汰になることは必定だったのだ。そして、これは復讐に燃える松島の知るところとなった。松島は将軍と会ったお阿紀の妹お町を生証人に引き出したのである。対する浅岡は好計をもって松島方の中頭飛鳥井と女形紅雀の醜聞を起し、そのために飛鳥井は自害、紅雀は浅岡の手で殺された。一方、松島は自供しないお町に拷問を加えたが、姉を思うお町は黙したままだった。お阿紀にはしかし、こうした大奥女中たちの権力争いに巻き込まれることに、耐えられなかった。浅岡がお町の口から事実が露顕するのを防がなければならないと、彼女を亡き者にしようとした時、お町の悲鳴を聞きつけたお阿紀は急いで駆けつけ、浅岡を懐剣で刺し貫いてしまったのだった。この一件で、松島は上[月葛]に出世し、大奥は再び御台所派一色に塗りつぶされた。お町は浅岡殺しの罪を着て捕えられたが、御台所は家斉にお阿紀をも罰するよう要求した。しかし、家斉はお阿紀の罪は許した。お阿紀の父和泉屋はこのため、家を取潰されて甲府に所払いになった。当のお阿紀は、お町をこっそり父の許に逃げのびさせ、御台所より贈られた南蛮酒を毒と知りつつ、自ら仰いで果てたのだった。

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