真夜中の虹のレビュー・感想・評価
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カウリスマキは愛である
ハードボイルドだが、どこか愛らしい
悲惨なはなしだが、重苦しさはなく
くすくす笑いがとまらない
画面の光と影、色、音楽、音が
こだわりぬかれた美しさに酔うのでした
希望を求めて南へ‼️
主人公カスリネンは鉱山の閉鎖で職を失い、父親も自殺してしまう。父の残したキャデラックで、カスリネンは南へ向かうが、道中強盗に襲われ、無一文に。仕方なく日雇い労働で働いていたある日、シングルマザーのイルメリと惹かれ合う。そして以前の強盗とトラブルになり逮捕されるが、脱獄し、イルメリとその息子と共に船で異国へ・・・‼️「パラダイスの夕暮れ」「マッチ工場の少女」とともに "労働者3部作" と言われてますが、私はこの作品が一番好き‼️相変わらずカウリスマキ監督らしく、ワンカットが長いし、ほとんどセリフもないんだけれど、全編に漂う雰囲気はハードボイルドだし、主人公の乗る車はキャデラックだし、脱獄モノでもある‼️そしてラストは希望に満ちた逃避行‼️いいですね‼️フィンランドの労働者へのカウリスマキ監督の愛あふれる秀作‼️
愛憎まみれる故郷からの脱出
ついに愛着しかない離れたくない、でももうこんなところには居られないと心底思ってしまったフィンランドから逃げて行くしかなくなった。
ここではない虹が見える場所に行く、真夜中の港の暗さと船(Ariel)の明るさ。
ユーモアをなるべく入れようとしながらも、ここから逃げることしかできなくなった人たちを描くしかなくなった、そんな真剣な映画でした。
優しいハードボイルド
主人公は坑夫をしていたが、廃山で仕事を失う。
友人にもらった車で都会にいくが、途中で強盗に襲われ、有り金をすべて奪われてしまう。
子持ちの女性と仲良くなるが、たまたま強盗を見つけ殴るが、警察に捕まり懲役刑を食らってしまう。
同房の男と親しくなり・・・。
これで良かったのかも。
"Surrealism"
シュルレアリスムなんて難しい言葉の意味は理解出来ないがアキ・カウリスマキはシュールだ、特に本作はシュール過ぎてエンディングロールで流れる曲の歌詞と同様に御伽噺のようで!?
過酷な状況に陥りながら不運とも取れる困難が滑稽に思われ、そんな最中に訪れる小さな幸せの為に奔走する主人公の姿を淡々と単純明快に、少しの希望もないままのハッピーエンド!?
刑務所で指輪を作る場面が素敵だ、アメコミ好きの子供が逞しい、幌が閉まらないコンバーチブルのキャデラックで真冬の走行、少しも理解出来ない行動ばかりが不思議と感情移入してしまうアキ・カウリスマキの世界観にどっぷりと浸かる。
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