ベルリン・天使の詩

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劇場公開日:

解説

「パリ、テキサス」のビム・ベンダース監督が10年ぶりに祖国ドイツでメガホンをとり、1987年・第40回カンヌ国際映画祭で監督賞を受賞した傑作ファンタジー。壁崩壊前のベルリンを舞台に、人間に恋してしまった天使の運命を、美しく詩的な映像でつづる。人間たちの心の声を聞き、彼らの苦悩に寄り添う天使ダミエルは、サーカスの空中ブランコで舞う女性マリオンに出会う。ダミエルは孤独を抱える彼女に強くひかれ、天界から人間界に降りることを決意する。ブルーノ・ガンツが主演を務め、テレビドラマ「刑事コロンボ」のピーター・フォークが本人役で出演。脚本には後にノーベル文学賞を受賞する作家ペーター・ハントケが参加した。1993年には続編「時の翼にのって ファラウェイ・ソー・クロース!」が製作された。

1987年製作/128分/G/西ドイツ・アメリカ合作
原題:Der Himmel uber Berlin
配給:東北新社
劇場公開日:2021年11月5日

その他の公開日:1988年4月23日(日本初公開)

原則として東京で一週間以上の上映が行われた場合に掲載しています。
※映画祭での上映や一部の特集、上映・特別上映、配給会社が主体ではない上映企画等で公開されたものなど掲載されない場合もあります。

スタッフ・キャスト

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受賞歴

第40回 カンヌ国際映画祭(1987年)

受賞

コンペティション部門
監督賞 ビム・ベンダース

出品

コンペティション部門
出品作品 ビム・ベンダース
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(C)Wim Wenders Stiftung – Argos Films

映画レビュー

4.5声を紡ぐ

2024年4月19日
PCから投稿
鑑賞方法:その他

ヴィム・ヴェンダース監督作品。
なぜ今まで観てなかったんだろうと思うぐらいいい映画でした。
映画の可能性に満ちた作品。

天使のダミエルとカシエルには人々の内なる声が聴こえる。
その声は様々だ。他愛無い思いから悲惨な心情、愛の希求など。
そんな彼らの声が天使を媒介にして映画で語られる。
声が語られることは重要である。ベルリンの壁が今なお存立し、戦争の痕跡が残り続ける現在に、生を語り絶えず現前させること。それが歴史を堆積させることに繋がるのである。

だが天使は媒介者として、永遠の者として、言葉それ自体として、存在するがために、自らの声を語ることができないのである。なぜなら生き続け存在し続けるのだから声として自らの生の痕跡を語る必要がないからである。

だから天使のダミエルは人間になることを決心する。音楽を奏でるミュージシャンのように、そして恋するマリオンのように、自らの「声」で語る存在になろうとするのである。

また終盤のダミエルとマリオンの出会いのシーンでは、決断することが人間たらしめることをマリオンが語る。

「先の運命が分からなくても決断する時…」
「私達の決断は、この街のーすべての世界の決断なの。」
「今しか 時はないわ。」

過去でも未来でもなく、今しか生きることが私たち人間は、絶えず決断し、声を紡がなくてはいけないだろう。そしてその声が語られるためにも、天使を信じなくてはいけないだろう。見えない天使に触れるP・フォークのように。

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abokado0329

3.0今日はいい日だ。

2024年3月4日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

オールナイト三本のうち、三本目。
天使の住むモノクロの世界、人間の暮らすカラーの世界。モノクロの世界は味気なく、カラーの世界はまさに彩りがある。それなら天使は人間になりたがるわな。そして、先人(刑事コロンボ!)の、人間を謳歌している姿を目にすればなおさら。どこか、人魚姫の世界観にも似たものがある。
なんとなく、日々過ごす日常において、時に、自分の力を越えたものに後押しされてうまくいくことって天使が手助けしてくれたのかもしれないと思えた。(仏教的には阿弥陀様のご加護でもいいが)。そして世の中、ちょっと人間離れした才能を持った人や物事を達観している人は、もしかしたら元は天使なのかもしれないとも思えた。(人生二周目って言われる人もそうか?)。問いただしてもそうだとは答えないだろうし、答えてくれなくてもいいけど。そういう人たちが、もしかしたら自分の身の周りにいて、楽しそうな人生を過ごしていると想像するだけで、こちらもわずかにお裾分けの幸せをいただいている気にもなれる。

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栗太郎

5.0素晴らしき哉、人生‼️

2023年10月22日
スマートフォンから投稿

泣ける

興奮

幸せ

「パリ、テキサス」と並ぶ、ヴィム・ヴェンダース監督の最高傑作ですね‼️ブルーノ・ガンツ扮する守護天使ダミエルが現代のベルリンに現れ、人々の内心の声を聞いたり、東西分裂という戦争の傷痕を実感したり、人間たちの暮らしを見守っている。「観察者」の立場だったダミエルは、サーカスのブランコ乗りの美女マリオンに恋をして天使をお払い箱になり、普通の人間になって彼女と結ばれるというお話。ヴェンダース監督がスクリーンに刻む西ドイツの荘厳な街並みは、まるで神々の世界‼️ドイツ語、フランス語、英語が入り交じる世界観も観る者に神々の世界だと実感させるに十分‼️天使たちが大空を飛翔する姿は神々しくてホントに美しい‼️そしてダミエルが翼を失い、人間の世界へ降りた瞬間、映画がモノクロからカラーへ美しく変貌‼️まるで「オズの魔法使」の逆バージョンのような魔法がかかる瞬間です‼️ホント酔わされます‼️見とれちゃいます‼️そして本人役で出演のピーター・フォーク‼️なんと天使が見れて、会話ができる役‼️さすが刑事コロンボ、いい味出してます‼️天国の事件も解決できそうですね‼️そして堕天使の立場から人間であることの喜びや哀しみ、それがベルリンの壁崩壊という歴史ともシンクロしているように感じます‼️これまでロード・ムービーを得意としてきたヴェンダース監督の新たな作風‼️詩的だし、ファンタスティックだし、ロマンティックだし、そして皮肉なユーモアや哀しみも感じさせてくれる‼️人間の温かさや優しさがホント心に染みます‼️ひょっとしたら、私たちの周りにも堕天使の人たちがいるかもですね‼️

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活動写真愛好家

3.5人々の心の声を聞く天使(亡霊)、壁崩壊前のベルリンの風景、本人役の...

2023年9月30日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

人々の心の声を聞く天使(亡霊)、壁崩壊前のベルリンの風景、本人役のコロンボことピーター・フォーク、ニック・ケイブの妖艶なロック。字幕を必死に追っても難解な部分はあるけど、奇抜な設定や見どころもたくさんあり、美しい映像も楽しめた。

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