デルス・ウザーラ

劇場公開日:

解説

シベリアのウスリー地方に暮らす天涯孤独の猟師デルス・ウザーラ。地誌調査のためにウスリー地方に入ったロシアのアルセーニェフ隊は、厳しい自然に直面し窮地に陥ったところをデルスに助けられる。大自然を愛するデルスの生き方にアルセーニェフは感嘆を覚え、次第にふたりは強い友情に結ばれていく。しかし、過ぎ行く年月は残酷な別れを容赦なく突きつける。オール旧ソ連ロケの映し出す大自然は厳しく美しく、役者たちの静かな演技も心を打つ。黒澤監督初の70ミリ作品。

1975年製作/141分/日本
配給:日本ヘラルド映画
劇場公開日:1975年8月2日

スタッフ・キャスト

監督
製作
ニコライ・シゾフ
松江陽一
原作
ウラジミール・アルセーニエフ
撮影
フョードル・ドブロヌラボーフ
中井朝一
ユーリー・ガントマン
音楽
イサク・シュバルツ
美術
ユーリー・ラクシャ
  • シュメイクル・チョクモロフ

  • マキシム・ムンズーク

  • ウラジミール・クレナメ

  • スペトラーナ・ダニエルチェンコ

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受賞歴

第48回 アカデミー賞(1976年)

受賞

外国語映画賞  
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映画レビュー

3.5黒澤明監督の唯一の海外で撮影された作品。

2022年7月27日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD
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琥珀糖

4.5人生とは、生きるとは・・・

2021年12月29日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

 黒沢作品の中でも、特に好きな一本だ。

 大自然の中で生まれ育ち、狩猟で生活をしているデルスウザーラ。 一方、近代的な生活圏に暮らす極地探検隊の隊長。 自然に対する捉え方が異なるこの二人が、自然の中で出会い友情を育んでいく。

 その絆を深めるきっかけとなる件がある。 二人が大氷原の真っただ中に取り残され、絶体絶命の状況に陥る。 しかし、デルスが持つ生活の知恵によって、最悪の事態を見事に回避する。 この出来事によって、隊長のデルスに対する信頼が深まり、ここから、年齢も生き方も違う二人の友情物語が展開されていく。 しかし、 友情が深くなればなるほど、生活環境や生き方の違いがお互いを苦しめていくことになる。

 デルスの死によってもたらされる隊長の悲しみは、もはや観客に委ねられていたと思う。 身近な人が亡くなった時の、罪悪感と喪失感が入り混じった、あの身の置き所の無い悲しみを、我々も映画の中で経験することになるのだ。

 自然から距離をとり、安全・快適な生活環境に生きることが、果たして良いことなのかー。 豊かな現在の世界を創り上げた人間の知恵を否定するつもりはない。 ただ、 二人の物語を観ていると、 自然とは、人生とは、生きるとは・・・とどうしても考えさせられてしまう。

 本来、我々の心とは、自然そのものなのではないのだろうか。 自然と距離を取って生きるということは、心からも離れてしまうことになるのではないだろうか。 鑑賞後、深い余韻に包まれる一本だった。

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Garu

4.0どこへ行こうか

2020年9月4日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

知的

デルスは先住民である
どの大陸や国でも先住民というのは大自然と共存していた
人間はどこでどう間違えたのだろうか
ほんの200年ほどで底のない貪欲さで人類は地球を食い物にしている
たぶん人類は自然淘汰されるだろう、それは地球の歴史から言えば当たり前のことで1億6000万年続いた恐竜でさえ絶滅したのだから
デルスもその一人なのだと思う
森人は、もう森には帰れない

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カルヴェロ

4.0これで黒澤作品は全て見た。70ミリで撮るに値する風景の数々は、想像...

2020年8月8日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

これで黒澤作品は全て見た。70ミリで撮るに値する風景の数々は、想像するに人間黒澤の手が入らなければああならなかっただろう。そんな作品、今はもう見かけない。大変偉大な仕事だと思う。

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kazuyuki chatani