ボルベール 帰郷

ALLTIME BEST

劇場公開日:

解説

「オール・アバウト・マイ・マザー」「トーク・トゥ・ハー」のペドロ・アルモドバル監督が、故郷ラ・マンチャのたくましい女たちの生きざまを郷愁と共に描き出したヒューマン・ドラマ。失業中の夫と15歳の娘を養うライムンダ。伯母の訃報を聞き故郷のラ・マンチャを訪れた彼女は、火事で死んだはずの母親の姿を見たという噂を耳にする。06年のカンヌ国際映画祭では、主演のペネロペ・クルスほか6人の女優たち全員が最優秀女優賞に輝いた。

2006年製作/120分/スペイン
原題:Volver
配給:ギャガ・コミュニケーションズ
劇場公開日:2007年6月30日

スタッフ・キャスト

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受賞歴

第64回 ゴールデングローブ賞(2007年)

ノミネート

最優秀主演女優賞(ドラマ) ペネロペ・クルス
最優秀外国語映画賞  
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映画評論

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映画レビュー

3.5本来重いはずのストーリーをラテン気質に描く

2024年4月6日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

ジャケットの雰囲気からは何となくちょっとチープなイメージが漂っていたが、アカデミー賞外国語映画賞スペイン代表作品ということで鑑賞。
思ったよりも全然良かった。ストーリーとしてはかなり重いものだが、全体を通してとても明るくカラッと描かれているのが好印象。これがラテン気質というものか。そして情熱の「赤」が画面所々に映えているのも、本作を大いに盛り立てている。
そして当然、主演のペネロペ・クルスも存在感抜群で、彼女の主演作品の中ではこの役が一番のはまり役なのではと思えるほどの良い演技。その他出演女優さんも皆芯があって魅力的だ。スペイン女性っていいな。今さらながら憧れてしまう。
ディテールを掘り下げるとツッコミどころ満載ではあるが、観るととても前向きになれる気持ちの良い作品だ。

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いけい

4.0女の敵は?

2023年7月25日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

悲しい

楽しい

幸せ

前評判を入れずに鑑賞。
いつもの変態がナリを潜めて、悲惨だし逆境極まりない女たちが、むしろ力強く輝く、女たちの人生賛歌。
賛歌と言うにはあまりにも、な過去を抱える者たちだが、それを常に抱きつつも人生をすてはしない。
極端な女性礼賛とも見えなくもない。
しかしそこまでに昇華してみせる手腕はやはり素晴らしい。

女の敵は女だなんて、女同士が仲良くしてると都合の悪い輩が植えつけてきた
嫌なイメージじゃないのか?

タイトルから、捨て去った故郷を
想うこととすぐに連想するが
いいことも悪いことも、全てを
収束する存在=母=故郷とも
言えるだろう。

この映画をみて少なくとも帰省したくはならない。
でもどんな人生でもいいんだなと受け止めて貰えるように感じる。
この映画が概念としての母親であるかのよう。
実際に描かれるのはそんな母親とは異なるものなのに。
不思議な魅力に溢れている。

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こまめぞう

3.0三部作の中でも異質な作品

2023年6月18日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

若い頃、火事で両親を失った姉妹が、それぞれ大きな出来事に巻き込まれる。
色彩豊かな映像の中、たくましく懸命に、時に醜く生きる女性を女優陣が好演。
アルモドバル監督の女性賛歌三部作の完結編。

悶絶するような出生の過去や行き違い、誤解、無理解等、様々な混沌を経てもなお、
人にとって母親は真っ先に帰るべき原点である。
その泣きたくなるほどありきたりの現実は同時に、人に赦しを与える。

三部作の中でも、異質な作品。
「女の血」とでも言えようか、姉妹、母娘という関係のある種の悪魔性は、
男性陣にとってただただ命を捧げるしかないほど畏怖の対象でもある。

10か月という長い期間、自らの体内に命を宿し、母親になるべくしてなる女性と、
自らに言い聞かせる、思い込むという方法でしか父親になれない男性との、
笑っちゃうほどの圧倒的な差であろう。

しかし、ペレロペ・クルスが違和感を覚えるほどの美しさ。
瞬間的だが、画づらが滑稽に見える時があるくらい、端正な顔立ちは、
女優としてはやや不幸かもしれない。

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えすけん

3.5ものすごかった

2023年5月5日
iPhoneアプリから投稿

アルモドバルはどうしてこうも
入り組んだ物語を上手く構成できるのだろう。

私的にかなり飲み込みが難しくて
入り組んでいるように感じるのだが。

いつだって予期せぬ展開を見せられる。
本当に想像もできない。
(結末を知って、冒頭に戻れば、そういうことか、とわかるのだけど)

今作も、
ボケた叔母の死と、娘の父殺しが
こんな形で繋がるなんて思いも寄らなかった。
自分の母親と同じ立場になった娘が、
母親の気持ちを理解していく。
その過程がうまかったし、他の登場人物も
余すことなく、取りこぼさず描き切っていた。
しかし、料理屋の男の件はなんだったんだろう、
あの映画クルーたちはただのモブなのね。

特にお気に入りのキャラクターは、
姉のお友達?の嬢の女性。
あのワゴンで川に行くまでの軽妙な会話。
どちらも必要以上に踏み込まない関係性なのが、
大人でもあるし、信頼の証でも会って、よかったですな。
会話もお洒落だったよ。

「幽霊は泣かないんだから」

それにしても
ペネロペ・クルスのあの神秘的なお顔と瞳はすごい。

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JYARI
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