メメントのレビュー・感想・評価
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始まりと終わり
10分しか記憶がもたないガイ・ピアース、にピンと来たので劇場公開時に鑑賞しました。
ナニコレスキスギル!
裁縫のかえし縫で後ろに下がっていくような流れ、って何言ってるかよくわかりません。
構成/仕掛けに萌えます。「これはこういう意味があったのね(キュン)」「あれがこうつながるのね(ハアハア)」「伏線素敵抱いて」物事が見た目通りのことなんてない、と改めて思い知らされました。
あまりのインパクトに一時期は「時系列順に映される映画なんてつまらん」と思ってました。恥ずかしい。
後にDVDで時系列順バージョンを見ましたが、単なる答え合わせにしかならないので、そこがやや物足りないところでしょうか。
2024/4/20劇場にて2度目。
欺かれ続けていると思ったら、自らを欺いていて、さらに欺かれていると見せかけて欺いていた、という。ついでに観客も丸ごと欺くという、超絶変態構成なのがもうね。サミーは忘れてたからギョッとした。
少し難解。なんとなく物語の概要は掴めたものの、あまりスッキリしない...
少し難解。なんとなく物語の概要は掴めたものの、あまりスッキリしない。
幻想を追う主人公・レナードと彼を気兼ねて優しくしているおじさん。
そのおじさんは物語の冒頭で殺される。
その時点から、過去に遡っていく…ってことかね?
10分しか記憶を持てない主人公を体験できる見せ方が秀逸。
二人目のジョン・Gへの偽復讐を起点に、少し前から進む時間軸と少し後から戻る時間軸が交互に入るという構成を把握していないと、全然話が入ってこない。かく言う僕も初めの30分までそれに気付かず、最初30分二度見ました(笑)
普通に記憶力のある見ている側が、記憶を10分しか持てない主人公にどう感情移入できるんだ?と考えていましたが、この作品の場面を短く区切り、時間を遡る見せ方は、まさにレナードの視点を見ている側も体験できる秀逸な見せ方でした。
しかも、すでに冒頭、ジョン・Gへの復讐を果たしたところからスタート。目的を果たしたところからのスタートでおもしろくさせるのかと思っていましたが、この時間を遡る見せ方とエミリー、テディなど登場人物たちの本性が分からず、正にレナードと同じ目線になれて、作品に入り込むことができた。特に、エミリーは場面によって性格が変わって怪しげな雰囲気が恐かったですね。
そして、最後の怒涛のネタバラシ!作品中でナタリーが「復讐したって、そのこと忘れちゃうんじゃないの?」っと正論を言ったけど、まさにそれが最悪の形で伏線になっていましたね。。無関係のジョン・Gを探し続けて、お門違いの復讐を繰り返す衝撃の展開。まさに、言葉を失いました・・。三人目のジョン・Gに復讐した後も、レナードは第4のジョン・Gを求めさまようことになったんだろうか・・
メメント三昧の1日
10分経つとその間の記憶がなくなってしまう記憶障害を持った男の話、というのは、前々から多少知っており、興味があったのですが、映画を見はじめても、なかなか話が見えてこなくて、もどかしい。
つかみどころがなくてわかりにくくて、前に見たシーンが時々、繰り返される・・これは何なんだろう?・・・謎の多いまま終盤を迎え、何となく「これは、シャッターアイランド系かな?」と思ったものの、頭の中で論理的にストーリーを整理することができず、ほとんどすぐに、二度目を観賞。(笑) しばらくして、吹替でも観賞してしまいました。
二度目見たときに、「あ、これ、エンディングから始まってる」と、この時気付きました。次の場面の最終シーンが前の場面の冒頭に来ています。多少、メメントでググって、「逆再生」とあったので、やはりそういうことかと納得。ワンブロックずつ(多分、10分間単位)、反時系列で遡っていっているんだろうけど、こういうのは、左脳よりも右脳で考えるのが得意な人の方がイメージしやすいのではないかと思いました。
カラー映像が逆時系列で、モノクロ映像が通常時系列だったら、どこかで「つながるところ」があるはずと思ったら、ありましたー!
普通のミステリーで時系列を交錯させるだけならば、見る人はこれだけ混乱させられなかったでしょう。レナードの記憶の喪失を視聴者が追体験することで、まんまと、トリックにはめられたという感じなのかもしれません。
それにしても、自分の中では謎の部分がまだまだ残っています。
レナードが電話で喋っていた相手は誰だったのか?
本当はレナードという人は存在しなくて、サミーの話で、サミーが精神病院で妄想を膨らませていただけだったのかも。
麻薬の売人がレナードに「サミー」と呼びかけて、レナードはそのことを不信に思っていました。レナード=サミーであるという正体がばれるのをひどく怖れていたようにも思えました。
疲れましたが、充実した1日でした。笑
2回見ないとわからない映画
この映画は難解です。
1回見ただけでは監督の意図する本当の目的がわかりません。
結論から言うと、この映画の謎に答えはありません。
妻をレイプし殺した犯人を主人公が殺害し復讐を果たしただけです。
主人公はそう思っているのです。
謎は数多くありますが、これらの謎に答えはありません。
なぜなら監督は最初から答えなど用意してないからです。
すべてが推測でしか答えることができない。
これが監督の本当の目的です。
主人公の名前は本当にレナードなのでしょうか?
まぜ麻薬の売人ジミーは死ぬ間際サミーと言ったのでしょうか?
ジミーは主人公の事を一度もレナードとは言ってません。
そもそもテディは本当の事を言ってるのでしょうか?
主人公の記憶は本当に正しいのでしょうか?
サミーという存在はテディの言ってる事と主人公の記憶とどちらが正しいのでしょうか?
それともどちらも正しくないのでしょうか?
すべてわからないのです。
わからないから面白いのです。
断片的記憶の連続
「パルプ・フィクション」が映画の基本構造を破壊して以来、直線的なストーリーラインをなぞらず、今作ではこんなフラッシュバックの使い方があるのかと考えさせられた。レナードがテディを殺害するパート(最も現在)から全ての真実を明かされ新たなジョン・G捜し(過去)までを逆説的に描く手法。モノクロのシーンは大過去であり、簡易的に示すとこうなる。
モノクロ(大過去)→真実を知る(過去)←テディ殺害(現在)
(過去)の時点に向かって物語はパラレル構成的に進展していく。つまり、(過去)の真実を知り、新たなジョン・G捜し(テディ)をするのがキイ・インシデントとなっている。これらのシーンは全て連続性があり飛躍的なシーンの転換はほぼ見られない。信用できない人間を主人公の周りに配置して、またそれを安易な人物像ではなく主人公の記憶障害による疑心暗鬼へと観客を導いたのもこの映画の魅力。観客も主人公と同じ目線で同じ情報量で真相に近づいていく。後に世に放たれる「ダークナイト」を観て初めてノーラン監督の存在を知り、映画の深みにハマっていったが、本当にこの人の映画における時系列の操作。時間の扱い方が上手だなと感心させられる。モノクロからカラーへと移り変わるシーンをとっても、セリフではなく映像だけで状況を説明している演出。ノーラン監督の画期的な方法を追求する姿勢や映画へのこだわり、考え方には脱帽します。
モヤモヤして楽しい!!
らせんのように進行し、前向性健忘を上手く表現していたと思います。主人公騙されてるだろと思って観ていたら、観ている人が騙されていたというのはナイスでした。謎を解き明かすというよりは、都合の悪い事は忘れて良いし、それも主体性だという事を学びました。同じく前向性健忘がテーマの小説、小林泰三の「記憶破断者」とはまた違った感じで楽しめました。
77点
結末からの逆の見せ方斬新!
けどやっぱりちょっとだけ分かりにくかった!
あと予想はついたけど最後はシャッターアイランド風ですごかった。
潜入捜査官を怪しく見せさせすぎてこんなやつおらんやろってなったw
もっかいみたくなる映画
久しぶりにじっくりと
何年ぶりかに観ましたが
面白いですねぇ。
記憶障害を皆で利用する…当の本人も。
結局みんな嘘つきでしたね(笑)
記憶は自分に都合良く改竄されて、都合良く記録される。
自分で書いた曖昧なシナリオを自分でミステリー風に解いていく…。
面白いです。
一度は見た方がいい!
かなり好きな作品です!
映画の作り方を覆して、結末から戻っていくと言うこの作り方にまず痺れましたw
是非見た事ない人は見てほしいです!
映画の内容を楽しみながら、映画の作りの良さも味わえると思います!
嘘で塗り固められた記憶
時系列を遡るプロットということで初めは混乱していたが、ドッドが登場してきたあたりから面白くなってきました。レナードを利用しているテディとナタリーは互いを「嘘つき」だと言い、こちら側までも疑心暗鬼になり、物語へ引き込まれた。個人的にゾッとしたのは、ナタリーが自宅中のペンを隠し、レナードがメモを取れなくした時点で、レナードに自分を殴らせ、レナードの記憶が無くなるまで車で待ったあとで「ドッドに殴られた」と言ったシーン。おーおーおー嘘ついてるこいつ!ってなりました。あとレナードが刺青したメモというのが、単なるメモではなくて、レナード自身に都合のいいメモだったというのもそう。記憶が無いことをいいことに、自らの記憶を改竄している。レナードが何人のジョン・Gを殺してきたか知らないが、記憶が無いなら立証は難しいんだろうな…と思った。テディを殺害したあとレナードはまた写真を燃やし、テディを殺害したことを忘れてしまうのだろう。
THE映画
小説では決して再現できない、THE映画と言っていい作品でした。
時系列が真逆で進むため、あやふやになることが何度もあり、なかなか頭が混乱する映画でした。
何度も見れば見るほど理解していける映画ですね。
一度見ただけじゃ理解し難いと思います。
結果、記憶がなくなるのをいいことに利用し合う人間達、自分自身の記憶障害すらを利用する主人公。
複雑で悲しい物語でした。
ハッピー要素はゼロでしたね。
以前字幕で見た際にすごく面白いと感じたのですが久々に見返して見たら、そこまででした。
見終わった後に頭にどしんと重くのしかかるような複雑な話でした。 今...
見終わった後に頭にどしんと重くのしかかるような複雑な話でした。
今まで観た映画の中で1番頭使いました。
時系列を遡る映画でこれがあそこに繋がってだからああなってっていう確認の連続なのでまあ観ていて飽きません笑
もう一回見た方がきっと理解できるのだけれども、少し時間置いてからまた見たいです(考えるのが疲れる笑)
「記憶は自分を確認するためのものだ」
私も日々の生活の中で「あれなんでこんな事したんだっけ…」となることはたまーにあるのですが(冷蔵庫に冷凍のひき肉を入れてしまったり笑)
そういったことが連続してあると自分を疑うし、こんな事知らずにやった自分に恐怖すら覚えます…
主人公は忘れる恐怖に毎回付き合うとなると普通記憶してる人だと辛いと感じる感覚が、忘られることでその感覚すらないとなるとある意味幸せなのか、、その分周りが辛いだろうけど…
しかし、サミーの話で彼は記憶障害なのに調査員のレナードに会った時、前にも会ったような目をする。普通の生活が送れないことに恥じて少しでも普通の人と同じように振舞おうとする姿勢があるということにやるせない気持ちでした…
深い。
「メメント」観てみました。難しかった。
これは時間軸をずらせている、とは解るのでその目安を探す…私は主人公の頬の傷、割れたジャガーの窓ガラスに注目してみました。
頬の傷ずーっと付きっぱなし(笑)つまり全部逆回し。そりゃないぜセニョ〜ル。「インセプション」観て耐性がついていたので良かった。
楽しくも疲れる作品ありがとうございました。
小説を読んでいるかのような
最初から結末がわかってるのに、最後まで理由がわからない!全部見てもまだわからない(笑)
なんで!?え!!と、口に出してしまうほど引き込まれて考えて夢中になれる映画だった。
映画というひとつの娯楽でここまで頭を使って楽しめる作品はそうそう無い。
BGMがほぼ無く、主人公の低い淡々とした声が心地よく静かに観れる。考える作業に無駄なものを入れない。時間軸を少しずつ巻き戻して行くので自分の頭の中で繋げていく作業がパズルのようで面白い。1回目見て、考察読んで、2回目リバースシークエンス見て、細かい所が繋がって何回も楽しめる。
全体的に演技が上手い!
インシュリン注射を打つサニーと奥さんの表情がもう、涙が出そうになった。
表情ひとつでもう台詞なんていらない、充分伝わる。少しの表情で物語が出来ていてそこに気づくとぞくっとする。
やっぱりノーランが大好き。これからも彼の映画をリアルタイムで追える、同じ時代に生きててよかった。
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