シザーハンズのレビュー・感想・評価
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バートン色と大衆性との絶妙なバランスが図られたファンタジー
30周年を迎えた本作は、ティム・バートンが幼少期に着想し、スケッチブックにデザインしたキャラ設定が原案となっている。人付き合いが下手で、疎外感や孤独感を抱きながら暮らしていたバートン自身が投影されているのはもちろんだが、それでいうと「バットマン」や「ナイトメア」を始めとするその他のキャラたちもまた、バートン自身だ。彼はそうやってぐるぐると自分について鏡の角度を変えながら描き続けている。
改めて鑑賞すると、パステルカラーの街並みにゴシック調の城、そこに炎をイメージする赤やオレンジの色合いが徐々に増え始めていく緻密な配色の構成に驚かされる。これは「フランケンシュタイン」をはじめとするモンスター・ファンタジーで民衆がたいまつを持って城へ押し寄せてくる描写の現代版か。バートン色をいかんなく発揮しながらも、あえて伝統的な物語運びや話法を用いて、大衆性と絶妙なバランスが図られた一作と言えるのである。
大切なものを傷つけてしまうので触れられない
シザーハンズは誰でも持っていて簡単に傷つけられる、下劣で軽薄な大衆心理への皮肉、昨今のネット犯罪、誹謗中傷、いじめ、なども同じ、バカはハサミを使えない、使用倫理を再教育。
監督の人間不信と自己憐憫
この映画を純愛モノと感じる人は人生習熟度が高い。。。。私、感じないもの(T_T)。
【監督の人間不信と自己憐憫】
バートン自身が抱いている、両親や同級生など身近な他人に対する "イヤな感じ" が濃厚に滲み出ていて、ひどく痛々しい。
母親係のペグは、両手ともハサミのエドワードにナイフとフォークを与え、グリーンピースを摘まんで食べろと強要する。人付き合いが上手になるようにとパーティを開き、知らない人ばかりの只中にエドワードを置き去りにする。彼の向き不向きなどお構いなしに、社会規範を押し着せようとする。それが正しい母親の態度だと信じて疑わない。
父親係のビルは、エドワードの特殊性にある程度は寛容だけど、騙して酒を飲ませたり、タバコを吸わせたりする。男同士のつきあいを息子と持ち、距離を縮めたいのかもしれない。でも、酒が苦手なエドワードは目を回して倒れてしまう。
そして気になる同級生、キム(いじめっ子ジムのガールフレンド)。
この女、エドワードと二人きりの時は彼を憐れみ、彼を庇護すると自分の身も危ないと感じた時は、口をつぐんで何もしない。
キムには罪悪感がない。だから謝らない。己の薄情さにとことん無自覚なのも、非常に女子的。
さらには、映画としての「悪役」側にまわらないよう巧みに立ち振る舞うので、私たち観客にすら嫌われない。
(デルトロ監督「ヘルボーイ2」のヒロインは庇ってくれたのに・・・中2監督両者の夢と絶望が比較できて興味深い)
・・・こんなに容赦なく苛む人達に囲まれて、可哀想なボク。
こうして、青年ティム=バートンの化身たるエドワード=シザーハンズはたった一人、ゴシック調の屋敷に引きこもり、氷像やトピアリーなどの作品作りに没頭する人生を送りましたとさ。
私には、彼が撒き散らす雪が、みっともなく哀しいエドワードの恨み言に聞こえて切ない。
そしてその雪を眺めて、「綺麗・・・エドワードの心には今でも私がいるのよ」と幸せそうに眠るキム。このズレ、わかってねェ通じてねェ感、もう最高(痛)。
このズレこそが人間関係の現実で、ズレを含みながら通じ合う心情こそ恋愛であると感じる人は、オトナな立場から本作を嗜まれることでしょう。
・・・私もそういう境地に立ちたいねぇ(呟)。
チョキチョキチョキ
シザーハンズって怖い話だと思っていました!
冬のおすすめ映画と勧められて視聴。
最初やっぱり怖い〜〜と思いながら観ていくと、結構ハートフルなお話!
あのお城に1人で営業しに行くなんて、なんて肝っ玉座ってるんだ!
そしてあんなにハサミな人(?)が出てきても逃げずに、しかも連れて帰るなんて!すごすぎる
服を着せるシーンは、上から着るなんてちょっと無理あるだろう〜と思いながらも今まで観たことない映画のストーリーで止まらず視聴!
スタンドバイミーのような雰囲気を感じました!
特に髪の毛チョキチョキして、髪が舞っているシーンとか!
ちょっと恋愛要素もあったりして、手がハサミなので抱きしめられないところ、ぐっときました🥺
人のおすすめは自分で観ないものがたくさんあっていいですね〜〜!!
若かりし頃のジョニーデップ、エドワードがちょっと陰のキャラクターてこともあってよりアンニュイな感じーー!
さすがイケメンですー!!
悲しいメルヘン
彼を悪魔の使いと言った女性を除けば、中盤までは意外にも彼に対して好意的な人がほとんどだったので、逆に後半はきっと悲劇になるのではないかと思い、見続けるのが切なかった。
案の定、悲劇となったが、最悪の事態とはならず、メルヘンチックにまとめたのはさすがティム・バートンだ!
いずれにしてもツッコミどころ満載なので、好き嫌いが分かれる映画だと思う。
変わった人を差別するな
ハサミの手を持った人造人間が主人公(ジョニー・デップ)、廃屋のような屋敷で人のいいおばさんに見つけられ、家に連れて行かれる。
天才的なハサミ技で、たちまち街の人気ものになる。
おばさんの娘(ウィノナ・ライダー)の彼氏が不良で、厄介事を引き起こし・・・。
公開時は「ホーム・アローン」と二本立てで、子供と一緒に満員の映画館で観た。
子どもたちは暴れることもなく、大いに楽しんでいた記憶がある。
エドワードの雪❄
中学生の頃に初めて観たティム・バートンとジョニデのタッグ作品。この映画で二人の名前を初めて認識しました。
とても切ないお話でした。人との違いが気になり出す思春期で観たせいか、エドワードの気持ちが流れ込んで来る気がした。久しぶりに観ると、当時観た切ない気持ちが蘇ってきました。エドワードの降らせる雪が、当時ままならない思春期のモヤモヤしていた気持ちまでも癒やしてくれたような気がした。
エドの純粋さが心に突き刺さる、美しく儚い王道の悲恋…。
2022.55本目
観てから30分くらい大号泣。
世の中はキラキラしててカラフルで綺麗にみえたけど、実際は汚かったねぇエド😭
エドの心が綺麗過ぎて、純粋無垢だからこそ、人の悪意に耐性がなくて、、、
報われない世の中を呪いたくなった😭
エドのそのままを受け入れてほしいけど、やっぱりうまくいかない。
「周りとは違う人」に対して、最初は「ユニーク」としてうけいれられても、少し違和感を感じたり害性を感じたら排除しようとする、そんな昔ながらの社会を生々しく描写している気がした。
社会のあり方や町の人々の反応は全部否定できないけど、現実を見せつけられたような気がしてただただ悲しい。
彼の小さな世界の中に、大事な場所ができて、友達だと思っていた人たちに、大切な人たちに誤解されて、気持ちを想像するともう耐えられない😭
エドを持ち上げて持て囃していた人たちが、手のひらを返していくのは、やっぱりか、という気持ちもありつつも、見たくなかったなぁ😭
前半の、街での日常が微笑ましくて、エドの優しく愛おしい仕草にいやされて、だからこそ後半の展開が効いてきたんだと思う。エドへの感情移入がハンパではない。
映画の全体として、
・現実でありながら昔話であるかのような不思議な雰囲気が良かった。随所でのティムバートンみにちょっと笑ってしまったり。(オープニングやお城の雰囲気、謎のクッキー工場の描写等)
・昔話のような雰囲気があるのに、現実の生々しさや人間の嫌な部分をこれでもかと描写しているのが良かった。
・女優さんが美しかった。
・最初の語りと最後の語りの繋がりが、美しい構成だった。伏線回収も綺麗だった。
・カラフルな街と、モノクロの城と雪…絵としての、意味としての対比が美しかった
・愛しているけれども傷つけてしまうから別れる…王道でありながらも美しく儚い悲恋…。心に突き刺さりました…。
発想がチープで演出が下手
案外と、古い映画ですね。
ジョニーデップ&ティムバートンの世に出るきっかけともなった作品みたいです。
見終わったときに心にこみあげてくるこの感情は何でしょう。悲しく切なく、それでいてとても後味の良い映画です。
ただ、発想はチープです。絵本を開いて読んでいるそんな感覚です。もう少し幼い頃にこの映画を見たかったですね。
演出面も残念な点が多いです。一番気になったのはエドワードとキムの恋愛描写が弱い点でしょう。ふっと火がついてふっと燃え上がった感じでしょう。エドワードが寡黙であるだけに視聴者にその感情は伝わりづらいです。
ジョニーデップの表情の演技も確かに上手いですがそれ以上に演出の努力が無さすぎますね。あまりに急すぎて、序盤はエドとキムのおかんがくっつくと思って見てました。
これはミスリードでなく明らかに演出の下手さゆえでしょう。
ほっこりと切ないラブファンタジー。 ティムバートンらしさ全開の世界...
ほっこりと切ないラブファンタジー。
ティムバートンらしさ全開の世界観で、手がハサミという変わった人物をジョニーデップが演じる。
序盤は街の人達にあっさりと受け入れられすぎていてリアリティがなく、後半の反応が自然だと思う。しかし、利用するだけ利用したら自分の都合のいいように罪をなすりつけるのは腹が立った。その疑惑は晴れないまま、罪を背負い城での孤独な生活に戻るわけで浮かばれないなと。犯罪を被ってもらった後に殴るなんてよっぽど肝が据わっている。最後は彼女と愛し合うことができ、ハッピーエンドでもあり、バッドエンドでもあり。
かなりキツい人たちが多い街だったので、優しい人たちが多い街に行けていたら、また結果は違ったのかなと思い、切なく感じた。
【”彼が町を去ってから、毎年雪が降る訳・・。”ティム・バートンとジョニー・デップの初タッグ作であり、最良のラブ・ファンタジー作品。若きウィノナ・ライダーの美しさが印象的な作品でもある。】
ー ハサミの手を持つ純真無垢な人造人間エドワード(ジョニー・デップ)と人間の少女キム(ウィノナ・ライダー)が織りなす、甘くせつない恋の行方を描く。ー
◆感想
・久方ぶりに鑑賞したが、人造人間エドワードは心優しき身体に障害を持つ人の象徴ではないかな、と感じた。
・エイボン化粧品セールスウーマンのペグ(ダイアン・ウィースト)が山の上の城に行った時に、孤独だったエドワードと出会い、驚きながらも家に招き、歓待するシーン。
そして、ペグの旦那さんも息子も、彼を自然に受け入れる姿。
- ペグ一家は、人間の善性の象徴ではないかな。-
・エドワードが、両手の鋏で、樹をユニークな形に剪定したり、犬のグルージングをしたり、好奇心満々の奥様たちのヘアーカットをして、町の人気者になって行く過程。
- 障害を持った人に、”表面的に”優し気に振舞う人々。だが、彼女達の化けの皮は直ぐに剥がれるのである。身勝手な人たちに振り回されるエドワード。ー
・最初は、エドワードの姿に驚いたキム(ウィノナ・ライダー)が、愚かしきボーイフレンドの行為により、エドワードが警察に捕まってしまった時も、彼が自分を気遣って、警察に何も言わなかった事で、徐々に、彼女がエドワードの優しき心と、自分を愛する気持ちに気付いて行く姿。
<若き、ウィノナ・ライダーの美しさと、ジョニー・デップの青白い、寂しげな表情が印象的な作品。
劇中、メインで流れる哀調溢れる美しきメインテーマも印象的な作品である。>
愛は素晴らしい
「シザーハンズ」今から30年ほど前の作品を今鑑賞しました。切なくも美しい映画でした。
主人公のエドワードは、特にたくさん喋るわけでもなく、演技が簡単そうに見えますが、微妙な表情の変化や話し方の違いが見えたりしていて、ジョニーデップさんの素晴らしい演技が輝いていました。愛を知らないエドワードは、自分に親切にしてくれる、家族のような存在や友人ができ、愛というものを知ります。人の役にたち、みんなから愛される存在となりました。そうして彼は好きな人が出来た、でも自分の手はハサミで好きな人を抱くことができない、大切な人を自分の手で傷つけてしまうのではないかと思い、彼女のため1人で生きていく選択をするというなんとも悲しい物語でした。ラストはお洒落な終わり方で感動が待っていまひた。
切ない
昔の映画なので映像や表現のチープさはあると思う。でもシーンに合わせたカラフルな世界観は見ていて気持ちのいい世界観。テーマとなる「愛」について考えさせられることは大きい。決して全員幸せになるハッピーエンドではないがスッキリと見終えることができる。
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