ことの次第のレビュー・感想・評価
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メタ映画+ロードムービー&ノワール
ポルトガルとLAでは光と影が確かに異なっていた。湿気も空気も道路も車も店も町もまったく異なる。それが白黒映画でわかったから、ま、いっかーと思った。配信だったら途中で見るのをやめていただろう。だから映画館で眠らずに見続けてよかった!
ハリウッドとヨーロッパ、カラー映画当たり前と白黒映画=昔、ドイツ人とユダヤ人。酔っ払い、不眠症、etc. ヨーロッパの西端っこのポルトガルでウダウダを強いられているスタッフと俳優達の一方で、映画ブイブイのハリウッド(フリッツ・ラングの記念マークがあった!)。予備知識ゼロだったが最後まで見ることできたし、なんだかとても面白かった。ジャンルが途中で変わる映画なんだー!
フィルムがない!!
ヴェンダースがディストピアなSF映画を撮っている!?と、思いきやそんな映画を撮っている人たちの群像劇的な。
資金が底をつき、撮影中断から暇を持て余したスタッフ、キャストの過ごす様子、ヴェンダースやカウリスマキ、ジャームッシュに愛されたサミュエル・フラーの存在感が渋い。
映画を未完で終わらせる位なら死を選ぶ、そんなヴェンダースの覚悟とハリウッドに不向きな、作家性だけを強調した作品を撮るベシ!な、ヴェンダースの皮肉たっぷりな思いが伝わる。
不可思議が成功している作品。
撮影中止を余儀なくされた映画チームの不安と苦悩。
モノクロで単調に描かれ、よくわからないけれど、なぜか不可思議が成功している作品。
美しい。
2014.5.15
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