ジェイ&サイレント・ボブ 帝国への逆襲 : 映画評論・批評

2003年2月1日更新

2007年3月8日よりシネ・アミューズほかにてロードショー

映画オタクの夢を全部かなえてうらやましいぜ!

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日本では「チェイシング・エイミー」しかヒットしてないケビン・スミス。実は彼が今まで撮った「クラークス」「モール・ラッツ」「エイミー」「ドグマ」は全部、 スミス自ら演じる無口なヤクの売人「サイレント・ボブ」がつなぐ大河ドラマ、いわゆる「サーガ」なのだ。

今回はついにその完結篇。ボブと相棒のおしゃべり男ジェイは、自分たちをモデルにハリウッドで勝手に映画が作られていると知って、それを阻止するため、ニュージャージーから大陸横断珍道中……というあらすじは、ティム・バートンの「ピーウィーの大冒険」とほとんど同じ。バートンの「バットマン」の大ファンだったケビン・スミスらしいが、スミスがせっかく書いた「スーパーマン復活」のシナリオをバートンに「くだらん」と破棄されて相当怨んでるらしく、この映画ではバートンにあてつけた「猿の惑星」のパロディで笑わせる。

出演者は、スミス作品常連のベン・アフレック以外にもオールスター・キャスト。ボブたちはシャノン・エリザベスとエリザ・ダシュクがキャッツアイみたいな黒のボンデージの女泥棒に利用され、警察に追われてハリウッドにたどり着くと、そこではマット・デイモンとガス・バン・サントが「グッド・ウィル・ハンティング2」を、ウェス・クレイブンとシャノン・ドハティが「スクリーム4」を撮影中。クライマックスにはケビン・スミス最愛の映画「スター・ウォーズ」の「あの人」が登場して、スミス=ボブとライトセーバーで対決。映画オタクの夢を全部かなえたスミス。うらやましいぜ!

町山智浩

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