私がやりましたのレビュー・感想・評価
全18件を表示
アガサクリスティー的なサスペンススリラーかと 思いきや、コメディ要...
アガサクリスティー的なサスペンススリラーかと
思いきや、コメディ要素多め、てかコメディ🤣
ユベールねえさんが出てくるまでの裁判劇は
フランス語が子守唄のように聞こえてきます(笑)
犯罪(殺人)を認めながらも(本当はやってない)
女性軽視バリバリ検察官や思い上がった
男たちを、その美貌と雄弁さとで丸め込み
世論(特に女性)を味方につけながら
無罪を勝ち取ったら、何故か仕事も増えて
裕福になった若き売れない女優と新米弁護士
それを妬んだ真犯人大ベテラン女優とのドタバタ劇
斬新なストーリー展開だけど
コメディ要素が強くてちょっと好みではなかった。
好みではないけれど面白かったのは面白かったのよ(笑)←どっちw
あざとくもキュートなマドレーヌと
かしこなポーリーヌ
母親役どころか祖母役でもおかしくないのに
姉役を強請るオデット🤣
3人の女性の魅力がそれぞれ光った作品でした🇫🇷
ムカつく男たちの末路が新聞沙汰になって
エンドロールで流れるのも愉快だね😆
言わせた者勝ち
知名度の高いプロデューサーが殺害された。
目撃証言から主人公で女優のマドレーヌが犯人として疑われた結果罪を認め逮捕されてしまう。
裁判では、わたしはプロデューサーに襲われそうになり自分の身を守るためには抵抗し撃つしか無かったという過剰防衛を主張することにより世間は彼女が自己防衛のための殺人だとわかり、いや寧ろ言い難い内容の筈なのによくぞ告白したというのもあって彼女は評価されスターダムの階段へまたマドレーヌの弁護を引き受けた友人で弁護士のポーリーヌも出世しました。
ここまでは、彼女達のサクセスストーリー。
しかし、彼女達の活躍を妬むのが、殺害事件当時に現場に居合わせながらも、犯人として疑われなかったオデットの告白により事態が覆そうになり大金を要求される。何とか大金を手に入れなければ立場がマズいマドレーヌは婚約者でボナールタイヤの社長、つまり義理の父に懇願する。
最後は義理の父が折れオデットに大金を支払い、事なきを得ることに成功。警察の捜査がずさんだったことや、判事の強い思い込みや瞑想さえなければマドレーヌは犯人にならなかったのかもしれない。当に言わせた者勝ちだと思う内容だった。
罪を盗んだ、っていうオデットの発言は笑えた。
鑑賞動機:あらすじ9割、オゾン1割。
オゾンだもの、普通の法廷ミステリで収まるわけもなく、明後日の方向へ展開していく。法治という観点ではどうかと思うけど、1935年という時代背景や(当時の)権威への冷ややかな目線、何よりコメディだし、ということで楽しく観ることができた。
ゲスいオヤジ代表みたいな検事のおかげで、主人公サイドに肩入れしやすかったし。
なかなか容赦ないエンディングのたたみかけ方もよかった。
ただ『8人の女たち』の驚きを期待していたので、その点では物足りなくもあり。
期待度◎鑑賞後の満足度◎ これぞフランス・コメディの佳作!先の読めないよく練られた脚本が巧い。そして戦前のフランス映画、それもサイレントの香りがする。後半から映画をさらうイザベル・ユペールに笑う。
①しかし、よくこれだけコンスタントに多彩で且つ質の高い映画を次々と生み出せるものだ。オゾン監督に乾杯🍸️
②前半はオゾン版『巴里の屋根の下』と思っていたら、後半はオゾン版『Wの悲劇』…ではなく『Wの喜劇』『Wの勝利』となる。
③二人の若手女優も魅力的だが(私はレベッカ・マルデールの方が好み)、やはりイザベル・ユペールは、登場前からスクリーンが華やぎ、出てくると“よっ、待ってました”と声を掛けたくなる当代随一の女優の一人だ。
最近、メリル・ストリープ化している、つまり出過ぎ(先日奈良を案内したフランス人の映画に詳しいご婦人も“素晴らしい女優だけど、最新映画に出過ぎね”と言っていた😄)な気がしているイザベル・ユペールだけど、ここでもサイレント映画の大スターだった貫禄と華やかさを残しつつ、トーキーに移行する時にコケた😄スターの零落感も漂わせるモンスター女優(『サンセット大通り』のグロリア・スワンソン+『イヴのすべて』のベティ・ディヴィスのパロディ?)を、可笑しみタップリ且つやり過ぎでもない軽みのあるコメディ演技で造形化してやはり巧い。
④コメディながらも男女格差問題を絡めてくるところもやはりオゾン監督。
法廷での「女は力と公平さを得るために犯罪という方法を取るのです」(だったかな?)とのマドレーヌの台詞は名台詞だと思うが、どうでしょう?
⑤パルマレード役の俳優さん、何処かで観た、と思ったら『パリ・タクシー』の運転手さんだった。
タイヤ会社のボナール社長役の俳優さんも、何処かで観たことがある、と思ったら『すべてうまくいきますように』のお父さんだった。
【”夫々の女性達の大義”1935年の女性の人権が軽視される巴里を舞台に、愚かしき男達を出し抜き、未来を切り開こうとする女性達の奮闘をユーモラスに描いた作品。流石、F・オゾン監督と思った作品でもある。】
ー 今作は、良く出来たストーリー展開に没入した作品である。そして、美術、意匠も俳優陣達の演技も良き作品でもある。-
■有名プロデューサーが自宅で銃で殺される。容疑者は、彼の舞台出演が決まっていた女優マドレーヌ(ナディア・テレスキウィッツ)である。最初、彼女は否定するが途中で一転し、殺人を肯定する。
<感想>
・マドレーヌが愚かしき判事の前で、抗弁するがアッサリと殺人を肯定するシーン。
ー 脳内で”ん?”となるが、彼女はルームメイトの弁護士ポーリーヌ(レベッカ・マルデール)に弁護を頼み、二人で一計を案じるのである。-
・法廷に場所を移してからが爽快である。
ー マドレーヌは裁判で殺人犯を演じつつ、ポーリーヌが書いた草稿を暗記し、性的搾取をしようとしたプロデューサーの行為を糾弾し、且つ身勝手な男性支配の社会から自由を得ようとする想いを雄弁に語るのである。
流石、女優である。そして、彼女は正統防衛を主張し、見事に無罪判決を勝ち取るのである。-
・そして、多くの市民から花束などを貰い、二人はボロアパート生活から脱出するが、トーキー映画のスター女優だったショーメット(出た!イザベル・ユペール)が現れ、”自分がプロデューサーを殺した。”と言って彼女達を脅すのである。
ー だが、マドレーヌとポーリーヌはショーメットに”ある約束”をし、仲間に引き入れるのである。-
<ラストも爽快である。マドレーヌの姉役として舞台に立ったショーメットは、悪徳プロデューサーを銃で殺し、マドレーヌと共に拍手喝采を浴びるのである。
今作は、愚かしき男達を出し抜き、上手く利用し、自らの人生を切り開いた3人の女性達の姿をユーモア要素を絡めて描いた作品なのである。ブラボー!>
1930年代、仏国パリ。 高名な映画プロデューサーが自宅の豪邸で殺...
1930年代、仏国パリ。
高名な映画プロデューサーが自宅の豪邸で殺害された。
容疑者は若手女優マドレーヌ(ナディア・テレスキウィッツ)。
殺害時刻の直前に面会していたことがわかっているからだが、彼女は殺していない。
しかし、お金に困っていた彼女は、ルームメイトの新米弁護士ポーリーヌ(レベッカ・マルデール)と結託して、正当防衛を主張して裁判を通じて売名行為を働くことにした。
さて、正当防衛で無罪獲得と相成りますや・・・
というのが前半の物語。
ここまでは、まぁ、想定のうちなので、それほど面白いわけではなく、30年代に最近の「Me Too」問題も絡めてあり、ちょっと素直に笑えないところもあります。
が、正当防衛が陪審諸氏に認められ、有名になっていくマドレーヌとポーリーヌが面白くないと、真犯人が名乗り出て・・・
とその真犯人が、サイレント映画往年の大女優(だがトーキー進出に失敗して、いまは零落の身)のオデット(イザベル・ユペール)。
有名になって、お金が入ったのは私のせいだと、強引にふたりに迫って・・・
といったあたりから俄然面白さがマシマシに増します。
映画の展開がどうなるのか以上に、イザベル・ユペールの怪演がすごいからに他ならないからなのだけれど。
マドレーヌと大手タイヤ会社御曹司との恋の行方や、オデットの復活を絡めて、大団円的に事件を解決させる脚本はお見事。
(オリジナルかと思いきや、ジョルジュ・ベルとルイ・ヴェルヌイユによる原作戯曲があったのね。
それも戦前の作のようで、キャロル・ロンバード、フレッド・マクマレイ主演で『真実の告白』のタイトルで1937年に映画化されていました。)
出演陣は、先に挙げた女優陣以外に、ファブリス・ルキーニ、ダニー・ブーン、アンドレ・デュソリエと大物芸達者を配して、主役の若手女優ふたりを盛り上げていました。
Classy
オゾン監督作品は前作の「苦い涙」があまりハマらなかったのですが、展開早めのブラックコメディという情報片手に鑑賞。昼間でしたが結構人入りは良かったです。
プロデューサーの殺害容疑をかけられたマドレーヌ、その罪を晴らすために姉のポーリーヌを弁護士にしたてて、いざ法廷でゆかん!といった感じのノリで、正直序盤はそこまで惹かれるものはありませんでした。なんでそんな働かない彼氏を匿ってるんだろう?と思ったり、彼氏は策略的な結婚を企んでいたりと、なんかずる賢いというよりかはなりふり構わずな人だなとぼんやり観ていました。
ちょっとスローだった序盤から一気にテンポを上げ、法廷のシーンなんかもうコメディすぎました。とりあえず雑に雑に進めてはい解決!とそそくさと終わってしまいます。マドレーヌの圧倒的演技力で同情を買い、女優へのスターダムを駆け上がっていく様子を同時に描く魅せ方は上手いなと思いました。
本筋ここじゃないのかと驚かされましたが、ここからギアが入っていくことをこの時点では知りませんでした。
裁判終了後はあっという間にマドレーヌは女優としての名前を知らしめしていき、様々な媒体への出演を果たして一気に生活も豪華絢爛になっていきます。ポーリーヌもキャリアを十二分に積みつつ、マドレーヌの手伝いもしながらで、姉妹揃って楽しい生活を過ごしている様子が淡々と描かれていました。
こんな平和になるのかと思ったら、プロデューサー殺しの本当の犯人である白黒映画時代のスター、オデットが現れてからは物語の展開がとんでもなく早くなります。
イザベル・ユベールの爆速早口が凄すぎて見入ってしまいました。字幕も追いつくのが精一杯で、かつてない速度でした。これは倍速とかで観たらもう何が何だか分からなくなるやつなので、劇場で体感すべきものだなと思いました。
犯罪を盗んだという聞いたことない表現にげらげらわらいました。その犯罪を取り戻すために判事の元に凸ったり、過去の様子が描かれたりと、一気にコミカルになっていきます。周りの人物全部巻き込んでどうなっていくんだ?とゾワゾワさせられっぱなしでした。マドレーヌが片乳を晒すシーンは不覚にもドキッとしました。女の武器使ってますやんと。
ただオチはちょっと拍子抜けだったかなと思いました。姉妹役をマドレーヌとオデットが演じ切っての大団円という終わり方は、平和的ではあると思いますが、ここまでスピード感が一気に減速して安全地帯での終わり方だったなとちょっとモヤっとする終わり方は残念だなと思いました。
とはいえ、ここまで爆速展開でのコメディ、コンプラやパリコレを良い意味で茶化す今作のような作品は中々観れないよなと嬉しく思いました。オゾン作品は明るい方が好きかもしれません。またこんなテンポの作品観たいなと思いました。
鑑賞日 11/14
鑑賞時間 12:20〜14:10
座席 C-16
これはスゴイ
有名な演劇プロデューサーが殺されて、直前に「俺の女になれよ」と言い寄られてた女優が疑われるのね。「これは売名のチャンス」と女優は弁護士の妹と組んで、裁判で正当防衛を勝ち取ってくの。
荒唐無稽な筋だから、嘘っぽさが出ると思うんだけど、そこまで出ないんだよね。話自体が軽くてファンタジーっぽい感じもあるから、なんでもアリな雰囲気があるの。でも、その中で、現実の縛りもやってる。
不条理劇とギリギリあたりだから、そういう笑いもうまいんだよね。
とにかく大技、小技、すべてがうまい。この脚本を書けるフランソワ・オゾンはすごいよ。監督としてスゴイのは知ってたけど、脚本家としても超スゴイ。
そしてイザベル・ユペールの登場をここまで遅らせて許されるとは、さすが巨匠。(オープニングで道でぶつかってるけどね。)
法定のシーンもふざけてやってるようで、ジェンダーの問題をキッチリ描いてる。本質的に今も変わらないんだよね。
そしてエンドロールでは、主役の三人以外は、みんな落ち目になってるの面白かった。
痛快
フランソワ・オゾン監督は絶対映画館で観ようと思っているので鑑賞🎞️✨
ポスターだと女性3人のメインキャストだと思っていたが、なかなか3人目のイザベル・ユペール出てこないなぁと思っていたが、なるほど、真犯人役か☺️
奇怪な役が似合う似合う笑
女優と弁護士の二人が可愛いこと、髪型が似ているのもあり、そっくりにみえて、最初2人は同一人物かと思った笑
金髪か黒髪で分けてて良かった笑
弱い立場の女性が、どんどん名声で輝いていく様が痛快で気持ちいい
最後のエンドロールも、登場人物のその後が垣間見れるのが楽しい😆
建築家の良いおじさんも訴えられていたのがまた皮肉。笑
スカッとしたいときに観るのにオススメ映画🎬
私がやられました😁
何故か爽快!
クライムサスペンスと言うくだりなのに
浮かれ気分で劇場を後に出来ました!
主人公2人の雄弁かつ鮮やかなる裁判シーンは
まるで傍聴席に居るかの様に引き込まれ同情心を持ち上げられちゃいました
とにかくテンポがいい!登場人物の人となりも分かりやすくクラシカルなセットや衣装
参考にしてみたいメイク…
ずっとずっと目が離せ無いアートフルなフランス作品に拍手です!
物語の締め方やエンドロールの…その後報告も
心残り無く楽しめたし
オゾン監督のドヤ顔が浮かびましたね
かつての大女優を演じるイザベル・ユベールの怪演は本当に「かつて」の大女優感があふれ出てたし(それも無声映画だなんて)違和感無し無し!
主演の2人の美貌と勢いにワクワクしたし
特にマドレーヌ役のナディア・テレクスウィツの魅力に私がヤラれました⭐️
即!checkin!
舞台演劇にしてみても面白そうな
俳優も衣装、景色どれもキュートで目に美しい。セ・ビアン!セ・ミニョン!な、まろやかクライムコメディだ。
台詞の多さや大げさな立ち回り、プロットがいかにも演劇的で現実感がないため、プレッシャーなく絵本を読み終えたような気持ちになる一作。いいんじゃないかなぁ。
きっかけを境に裕福になった主人公に、二番煎じを狙って迫る狡猾なヴァラン。うーん、きたきた古典的。これっておむすびころりん的なラストかなと思いきや、みんながみんなお得に収まっちゃってまさかのボヌール。
お、おう。まあ、いいんでないかなっ。最近は重めな作品多かったし、これはこれで良かったですよ。
そのまんまだが邦題もよき。
貞操の価値
非常にフランス映画らしいコメディ。
初っ端から、大家とやりあうポーリーヌのキュートさにやられた。
マドレーヌも、発砲する瞬間に目を瞑ってしまう(イメージですが)あたり可愛らしい。
オデットの強かな横柄さが、後半に素晴らしいアクセントを効かせる。
その他の登場人物もみんなどこか愛嬌があり、仕草や表情が魅力的です。
話としては「そんなこと言う?」とか「うまくいきすぎだろ」とは思うが、そこはコメディ。
赤い幕が開くところから始まり、軽妙な会話や舞台的な仕草、アイリス・アウトの多様など、リアリティラインの下げ方が絶妙。
もっとバチバチにやり合うのかと思ったら、半ば共犯関係となり、みんなが幸せになるラストは意外。
意外といえば、いかにも胡散臭かったパルマレードが実は紳士でしたね。
…という印象やちょっとした会話をエンドロールで拾ってくるので、最後まで油断なりません。
そのエンドロールで、結末がもう一転したような?
意表をつかれて捉えきれなかったのが残念。
実はオデットもやってなかったとか、もう一捻りあったらと思ってただけに、綺麗に入れ込んでたら満点かも。
ファッションや町並み、劇中劇の入れこみ方など演出も素敵でした。
爆笑ではなくクスクス笑えるし、1935年を舞台にしつつ今日的な問題にも触れるバランスにも優れた名作です。
タイトル最高/楽しい犯罪の使い方
タイトルが最高。『私がやりました』(英題 The Crime Is Mine、原題Mon crime)!!
なんか三谷幸喜のクリスティーものっぽいミステリー感、あるいはステキな金縛りっぽさのある法廷劇を、感じた。音楽とか、膀胱炎のタイピストが何とか判事を小馬鹿にしてる感じとかに、三谷幸喜みを感じた。
1935年が舞台らしいです。
ポーリーンは多分マドレーヌが好きなんよね。
お風呂を出ていくマドレーヌに送る視線が、切なくてそんなふうに受け取った。
イザベル・ユペール様が、楽しそーにサイレント映画時代の大女優で真犯人を演じてて面白かった。
軽い喜劇なんだろうけど、結構#MeToo的目配せのある内容。オゾンの過去作では、8人の女たち、しあわせの雨傘の分野かなーと思う。8人の女たち、また見たいなぁ。わたしにとってのミニシアター作品との出逢いの作品で、TSUTAYAでVHSを複数回借りた記憶…
オゾンはいろんなタイプの作品を沢山撮ってて、すごいなぁと思う。全部見れてはないけど、まだ50代だし、これからも色々見せて欲しい。
真犯人を、結構最後までパルマレードなんかなぁ(死んだプロデューサーのおかげで得した建築家)と思ってたんだけど、違いましたね。
オデット(ユペールさま)って事なんですね。財布持ってたんやしそんでええんよね?誰がどうやって殺したかは、どうでもいいんですがね。
オープニングでプロデューサー宅から出てきたマドレーヌが、すれ違いざまにちょっと肩がぶつかった人がオデットっぽく見えたから、オデットじゃないんやなっていう先入観を持って見たので、そう思ってた。
とはいえエンドロールでも一年後に新証言とか言ってるから、ほんとはオデットでもないのかな?まぁそこはどうでもええんやけど。
女の地位が低くて、二級市民扱いされている世界で、シスターフッドとトンチを駆使して、望みを叶えたホラ話だからさ。
とはいえ、パルマドーレが身体を差し出さなくても頼みを聞いてくれるいい人だった理由がよくわかんなかった!
毒気が少ない分、カタルシスも弱い
殺人犯のフリをした女優とその友人の弁護士が、女性の地位向上を訴えることで無罪を勝ち取り、名声を得ていく展開は、コメディ・タッチのサクセス・ストーリーとして面白い。
ただ、台詞の多さが物語のテンポを阻害しているし、退屈とは言わないまでも、フランス語の響きのせいで眠気に襲われてしまった。
真犯人が現れてからは、この欲の皮が突っ張った老女優を、どのようにしてやっつけるのかと思って観ていたら、なかなか期待したような展開にはならない。
終盤で、タイヤ会社の社長の前に、建築家、女優、弁護士、老女優が次々と姿を現し、言葉巧みに大金を巻き上げていく様子には、コン・ゲームのような痛快さと演劇的な面白さがあるのだが、それでも、それが老女優のためであることを思うと、あまり素直に喜べない。
誰も傷つかけずに円満にコトを収めるためには、敵対して潰し合うよりは、味方に引き込むのが一番良い方法だとは分かるのだが、それでも、こうした欲深い老害には、やはりギャフンと言わせて欲しかったと思うのである。
それから、殺されたプロデューサーの卑劣さは言わずもがな、判事は無能だし、検事はいけ好かないし、フィアンセは頼りないしと、出てくる男たちは総じてダメ人間ばかりであるが、唯一、建築家だけは、誠実で信頼の置ける人物として描かれている。
これはこれで、「男の中にも善い人はいる」という、一種の救いにはなっているのだが、ただ、「男性優位の社会に女性がくさびを打ち込む」というテーマを徹底するのであれば、やはり、男性は全員、ダメ人間であっても良かったのではないかと思えるのである。
おしゃれなコメディ
感覚がやっぱり日本とは違うので、面白いと思うかは微妙かも。
分かりやすい伏線と回収。
事件は起きるけど、メインは人間ドラマかな。
簡単な内容としては、いわゆる、昔の炎上方法で、有名になる話w
裁判の流れは凄く穴がありそうだけど、時代背景考えればそんなものなのかな。
とりあえず、役者さんの演技がよく、ストーリーは分かりやすい。
万人受けはしないけど、こういう緩やかなドラマも良いのではないかな。
昔の大女優対新人女優+駆け出し弁護士の策略対決 古典的コメディ風・フランス映画
フランス映画といっても、1930年代?映画でいえば、1960年代までのフランス、パリが華々しくみえていた時代を描いたフランス、ヒューマン、コメディ映画の雰囲気の作りです。
街並み、人々のファッション、人々の日常・・そこに、最近作映画(「パリタクシー」「バービー」)などでも添加され描かれた、時代的社会問題当(男女平等、人権、選挙権、他)を下敷にに、レトロでライトなコメディ映画になっている。
ドラマは、有名なプロデューサ殺人事件をきっかけに、話題となった新人女優が、駆け出しの弁護士と共に危機を切り抜けた所に、サイレントからトーキー映画時代を生き抜いてきた女優ではあるものの、今は一線を退いたと思われる女優が、その殺人事件を使い、昔の名声、報酬をもくろんで、新人女優+駆け出し弁護士に戦いをしかける。
ここより50年代、60年代に作られたフランスやアメリカ映画のオシャレなコメディドラマ映画が、テンポ・アップ。
映画中の女優✖2➕弁護士〓役者3人が揃い、それぞれが画策する戦略を実行、ドラマ進行が面白くなる。
昔の良き時代の映画を彷彿させるコメディドラマ映画の作り。締めくくりも古き良き時代の終演、そして・・さらなる展開へ・・。
それにしても、ドラマ毎の、フランソワ・オゾン監督の絶妙な人のドラマの描き方に感心させられます。
★Digital音響 鑑賞
★重低音 ─
★音圧 ─
★分離度 2
サイド(左右、後、活躍度)─
★サラウンド ─
音響的にはスクリーン側ステレオと、モノラル音源が使われているのが主で、古き良き時代の映画を目指したのかもしれません。
富と名声をかけて○○の座を奪い合うコメディ。
普通は自分が真犯人であることを隠したり、自分が真犯人でないと主張するのだけれど今回は逆。というか、犯人であることが重要な意味を持つから、自分がホンとはがやってないことを隠す設定が面白い。
犯人と間違われたことで思いがけず富と名声を手に入れた2人。舞い上がって浮かれているところにやってきた真犯人オデット。僕はイザベル・ユペールを見に行ったので、ヨッ、まってましたイザベル・ユペールって感じ。
我らがイザベル・ユペールが70才の貫禄で、かつての大女優オデット役を好演。オデットは今の若い人には忘れ去られた元大女優だが、年寄り連中には未だ光り輝くまぶしい存在として描かれるところが良かった。無声映画「魔笛」が代表作。
2人がオデットに、「あんたなんか守る貞操がないから懲役20年で刑務所行きよ」とか失敬なことをズケズケと言うのが笑えた。
オデットも、今度マドレーヌが主演する映画の主演を代われだとか、助演なら母親役じゃなく姉の役にしなさい、妹とは言わないわとか言って負けてはいない。
2人は真実が明るみに出ると富と名声が失われる。オデットは自分が真犯人だと名乗り出ると刑務所行きの可能性がある。だから、ちょっとだけオデットが有利だけど3人は運命共同体の感じだと思った。
だから、マドレーヌの婚約者の父親から30万フラン調達する場面では、3人は共同戦線を張り手を組む。男たちがかなり手玉に取られていておかしい。
3人の、この何ともしたたかで、ふてぶてしい所が小気味良い。
フランソワ・オゾン監督の作品なので鑑賞したと言うレビューがかなりあった。知らなかったけど、これを機に覚えておこうと思った。
全18件を表示